賃金実態調査

運輸、小売業 賃上げ率1%未満
 表3は、未組織企業の賃上げ状況を業種別に示したものである。賃上げ率をみると、サービス業が1.65%と最も高く、以下、建設業1.34%、卸売業1.34%となっており、それぞれ平均の1.28%を上回っている。前年と比較すると、サービス業1.65%(前年調査2.71%)、建設業1.34%(同2.09%)、卸売業1.34%(同2.40%)、製造業1.17%(同2.29%)、小売業0.89%(同2.02%)、運輸業0.85%(同1.23%)となっており、全業種が前年を下回る伸び率になっている。また、製造業を個別の業種ごとにみると、、食品製造業1.41%、金属製品製造業1.35%と製造業平均の1.17%を上回ったものの、その他の業種はこれを下回る低調な伸び率になっている。
 賃上げ額をみると、建設業が3,131円(前年調査4,838円)と最も高く、以下、サービス業2,975円(同5,104円)、卸売業2,939円(同5,014円)の順となっている。前年に比較すると、全業種が前年を下回っているが、その中にあって、小売業では2,371円、サービス業では2,179円も減少している。

未組織企業業種別賃上げ状況
「賃上げなし」約3割
 表4は、未組織企業の賃上げ状況を従業員規模別、賃上げ額別にみたものである。従業員規模別の分布は、「1〜9人」が全体の5.9%、「10〜19人」が7.2%、「20〜29人」が12.7%、「30〜49人」が27.4%、「50〜99人」が27.8%、「100人以上」が19.0%となっており、50人未満の企業が全体の53.2%を占めている。従業員規模別の賃上げ額についてみると、「20〜29人」が3,477円と最も高く、以下「30〜49人」3,457円、「10〜19人」2,864円となっている。また、「1〜9人」と「100人以上」を比較すると、「1〜9人」が「100人以上」を247円上回っており前年とは逆の結果になっている(前年は「100人以上」が「1〜9人」を706円上回った)。賃上げ前基準内賃金では、最も高い「10〜19人」の207,570円と最も低い「100人以上」の194,701円との差は、12,869円(前年調査29,044円)となり、格差は縮小した。また、「100人以上」では賃上げ前基準内賃金、賃上げ額、賃上げ率、いずれもが他の規模のものを下回っている。
 次に、賃上げ額別の分布状況をみると、「2,500〜5,000円」が全体の34.2%と最も多く、以下「賃上げなし(マイナスを含む)」33.8%、「2,500円未満」16.0%となっている。また、「賃上げなし(マイナスを含む)」は前年調査の11.1%から33.8%となり大幅に増加した。

表4 未組織企業従業員規模別賃上げ状況


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