冬のボーナス支給予定額 対前年比▲1.2%の減少
2年連続のマイナスとなるも下げ幅は縮小


●支給額 383,676円 ●支給総額 1.86ヶ月

   当情報研修センターが10月29日現在でまとめた県内各企業のこの冬のボーナス支給予定額調査によれば、有額回答による加重平均〈有効サンプル企業の支給予定額の総額÷有効サンプル企業の従業員総数〉で男子が407,705円(回答企業の対前年比▲3.4%の減少)、女子が246,154円(同4.4%の増加)、男女平均では383,676円(同▲1.2%の減少)となった。
 深刻な状況が続く県内景況の中、伸び率では前年冬季調査が前年比▲5.2%、本年夏季調査が▲5.4%であったが、本調査ではマイナス幅が縮小し、「緩やかな改善が続いている」との景況を窺わせる結果となった。


 この調査は、当情報研修センターが66業種、1,272企業を対象に10月29日現在で実施したものである。
回収したサンプル数312企業のうち、従業員のいない企業、支給額が未定の企業、記載不備のものを除いた有効回答企業249企業分(うち「男女合計」のみを記入したもの38企業及び支給しない企業7企業)を集計したものである。
 なお、記載不備等の無効サンプル数63企業の内、47サンプルが支給額未定とする企業であった。


対前年比▲1.2%の減少 2年連続のマイナスとなるも下げ幅縮小


 表1冬のボーナス支給予定額について有額回答のあった242企業の状況をみたものである。これによるとボーナス支給予定額は、男子が407,705円(回答企業の対前年実績比▲3.4%の減少)、女子が246,154円(同4.4%の増加)、総平均が383,676円(同▲1.2%の減少)となった。総平均では前年実績を下回り、前年調査に続く2年連続のマイナスとなったが、下げ幅は縮小した。
 次に、平均基本給に対する支給月数をみると、男子が平均基本給222,499円(平均年齢38.6才、平均勤続年数12.9年)で1.83ヵ月、女子が同157,959円(同37.4才、同9.9年)で1.56ヵ月となっている。さらに総平均では同206,463円(同37.8才、同12.2年)で1.86ヵ月となっており、女子のみが前年実績を上回った。
 また、既に述べたとおり支給額未定とするものが47企業(回答企業総数の15.0%)と例年に比べて多かった。

表1 冬季賞与支給状況(業種別)



5業種で対前年プラスの伸び率

 業種別の支給予定額(総平均)は、卸売業が467,311円と最も高く、以下、小売業409,384円、製造業393,030円、サービス業364,068円、建設業340,842円、鉱業302,528円、運輸業275,287円の順となっている。 また、男女別にみると、男子では製造業の453,635円を最高に、以下、サービス業443,837円、卸売業432,822円、小売業395,328円、建設業346,078円、鉱業323,108円、運輸業239,380円と続いている。女子では卸売業が266,982円と最も高く、小売業261,529円、製造業244,777円、建設業244,596円、運輸業234,664円、サービス業229,763円、鉱業201,000円の順となっている。 
 次に、業種別の支給予定額(総平均)を対前年実績でみると、鉱業7.1%の増加、サービス業3.8%の増加、卸売業3.3%の増加、運輸業0.5%の増加、小売業0.1%の増加となり、反対に減少となったのは、製造業の▲3.7%、建設業の▲0.7%の2業種のみであった。
 これを男女別にみると、女子では鉱業が前年実績比16.7%増加、サービス業が10.8%増加し、反対に小売業が▲6.9%減少、卸売業が▲4.8%減少し、業種間における格差が著しい。男子の場合も女子ほどではないが同様に業種間の格差がみられる。

大きい企業間格差

 図1は、支給額の分布状況を10万円単位でみたものである。これによると、「30万〜39万円」が22.2%と最も多く、次いで「20〜29万円」が21.8%、「10〜19万円」が19.0%で、以下「40〜49万円」が18.1%、「50万円以上」が13.3%、「10万円未満」が3.2%、「支給しない」が2.4%となっている。 以上のとおり「30〜39万円」、「20〜29万円」がそれぞれ2割強あり、「10〜19万円」、「40〜49万円」がそれぞれ2割弱あるなど、支給額は例年どおり各段階に広く分布し、ここでも企業間の格差がみられる。

図1 支給額分布状況

 
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