特集●コンピュータ利用実態調査結果

特集●コンピュータ利用実態調査結果


コンピュータ化業務
「コミュニケーション」が著増

 図5は、コンピュータ化している業務を表している。上位2項目は、前回調査と同様で、他の業務に抜きんでて高い「基幹業務」と「総務的業務」であるが、その割合はいずれも微減している。次いで割合は低くなるが「データ活用」と「技術系業務」であり、これも微減している。総じて割合が減少している中にあって、唯一「コミュニケーション」が約10ポイント増加して22.6%となっている。「コミュニケーション」とは対照的に、情報ネットワークの時代といわれながら「ネットワーク」が3ポイント余り減少し、6業務中最も低くなっていることは懸念される。
 以上は業種全体でのコンピュータ化している業務の状況であるが、
表2−1はこれを業種別にみたものである。鉱業では「基幹業務」と「総務的業務」が高いが、「ネットワーク」と「コミュニケーション」は低い。建設業ではその業種特性からして「技術的業務」は高く「総務的業務」も高いが、「ネットワーク」と「基幹業務」は低い。製造業では「コミュニケーション」が全業種中最も高いほか、「総務的業務」と「基幹業務」が平均よりやや高い。卸売業では「基幹業務」、「データ活用」と「ネットワーク」が高い。小売業では「ネットワーク」が高く「総務的業務」が低いほかは概して全業種平均と同じである。運輸業では「総務的業務」が高く、「ネットワーク」と「コミュニケーション」が低い。サービス業では「データ活用」が全業種平均を上回っていることを除きそれ以外は下回っているが、「ネットワーク」と「コミュニケーション」は特に低い。
 コンピュータ化している業務を従業員数規模別にみたのが、
表2−2である。「1〜9人」では他の規模のものに比べ「コミュニケーション」が一番高く、総じてそれ以外の業務でもその割合は高い。「10〜19人」と「20〜29人」ではほぼ全業種平均と同じ傾向にある。「30〜49人」では「基幹業務」と「ネットワーク」が低い。「50〜99人」では概ね全業種平均と同じ傾向にあるが、「基幹業務」と「ネットワーク」がやや高い。「100〜299人」では「ネットワーク」と「コミュニケーション」が若干低いほかは全業種の平均に近い。「300人以上」では「ネットワーク」が他の規模に比べて最も高いが、「総務的業務」と「コミュニケーション」は低い。
 
図6は、取引先とのEOSへの対応状況であるが、「既に行っている」と「(未実施であり)求められている」の合計が33.3%でちょうど3社に1社の割合になっている。

図5 コンピュータ化業務

(単位:%)
図5
(注:複数回答)


表2-1 業種別コンピュータ化業務

表2-2 従業員数規模別コンピュータ化業務

図6 取引先とのEOSへの対応状況
図6



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