特集平成11年度「環境」に関する実態・意識調査結果

「産業廃棄物・ごみ処理」分野で環境に配慮
  「容器包装リサイクル法」の認知度は46.2%


 今や企業経営において環境への適正な対応は最重要課題の一つになっている。この状況に対応して、当岩手県情報研修センターは県内製造業系業種(鉱業・建設業・製造業)企業における環境に関する実態と意識を明らかにし、県内企業の経営の参考に資するため、「環境に関する実態・意識調査」を実施した。
調査時点は平成11年3月1日、調査対象企業は県内の製造業系業種676社であり、有効回答数は275社(有効回答率40.7%)であった。
なお、複数回答の場合、図中に表示した割合(%)は、「当該設問に対する有効回答の実質総数」を分母に「当該設問において該当すると回答された選択肢ごとの総数」を分子に算出したものである。

環境配慮は「メリットあり」が7割

 図1は企業において「環境」に関して配慮もしくは重視している事項を表している。最も多い事項は「産業廃棄物・ごみ処理」、次いで「省エネルギー」、「リサイクルの促進」、「水質(河川・地下水)汚染対策」となっている。この表からはわからないが、回答企業である製造業系業種を構成する小分類業種(13業種あり、以下「小分類業種」という。)にあっては、全業種を通じて「産業廃棄物…」が第1位で、鉄鋼と食料品で「水質(河川・地下水)…・・」の割合が高いこと、木材・木製品、印刷製本及び窯業・土石で「リサイクルの…」の割合が高いことが目につく。
図2は環境に配慮した経営をすることにより企業に及ぼすメリットの有無を表している。ほぼ7割が大小のメリットがあるとしているが、1割強はないとしている。これを小分類業種でみれば、木材・木製品及び鉄鋼では全企業においてメリットがあるとし、印刷製本、金属製品及び電気機械でも全業種平均を大きく超えてメリットがあるとしている。反対に、繊維ではメリットがあるとしているのはちょうど50%と低い。
図3は図2に関連するが、メリットの具体的な内容を表している。「企業の社会的責任を果たせる」が最も多く、次いで「経費の節減」、「企業のイメージアップ」、「地域社会に貢献」が上位の4つである。この4つのメリットのうち唯一「経費の…」が実利的であるが、それ以外は直接には実利的とはいえないものであり、時代の要請を反映した企業の対応がみてとれる。

 

図1 「環境」に関して配慮・重視している事項


図2 「環境」への配慮・重視によるメリット


図3 具体的なメリット



 

半数に満たない
容器包装リサイクル法の認知度

 図4は、平成9年4月に施行されたいわゆる「容器包装リサイクル法」についての認知度を表している。「よく知っている」と「大体知っている」を合わせて半数に満たない46.2%であり、法が施行されて2年を経過したことと考え合わせればまだまだ浸透の必要性をうかがわせる結果となっている。これも小分類業種でみれば食料品では85.2%、精密機械では71.4%と全業種平均を大きく超え、反対に繊維、鉄鋼等は低いが、これはそれぞれの業種特性によるものと思われる。また、これを従業員数規模別にみれば、従業員数が多くなるに従って高くなっている。つまり、51〜100人で47.8%、101〜300人で50.8%、300人超で88.9%である。



図1 容器包装リサイクル法の認知度





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