県内の経営動向調査


深刻な状況の県内景況


 

6月の実績調査結果(全業種)
 
 業界全体
をみると、昨年初めから各指標は下降傾向にある。6月実績は、生産・売上が当調査開始以来の最低値を記録するなど、深刻な状況となっている。
 生産・売上が前年同月に比べて増加したとするところは、調査票回収1,098企業(有効回収率66.5%)中、 9.7%と前月調査の 9.2%を0.5ポイント上回った。一方、減少企業比率は55.7%と前月調査の52.6%を3.1ポイント上回ったことから、指標は下向いた。
 また、収益増加企業比率が 6.6%と前月調査の 6.4%を0.2ポイント上回った。一方、減少企業比率は58.9%と前月調査の56.9%を2.0ポイント上回ったことから、指標はここでも下向いた。
 資金繰りは好転2.9%(前月調査4.2%)、悪化43.9%(同43.8%)となっている。
 
 7〜9月期の予測についてみると、生産・売上が前年同期を上回るとみているところは 7.1%と当月実績を2.6ポイント下回っている。一方、減少予測企業比率は51.8%と当月実績を3.9ポイント下回っている。このことから、予測通りならば指標は再び上向くことになる。
  また、収益予測でも増加 5.0%(当月実績比1.6ポイント低下)、減少54.4%(同4.5ポイント低下)と指標はここでも再び上向くことになる。
 資金繰り予測は好転3.0%(当月実績比0.1ポイント上昇)、悪化45.0%(同1.1ポイント上昇)となっている。
 
 このように、先行き見通しについても、厳しい状況で推移することが予測される。

全業種グラフ


  1. DIとは、増加(好転)企業割合から減少(悪化)企業割合を減らした数値である。(増減は前年同月比)
  2. 6月までは実績値で7〜9月は予測値である。
  3. 調査時点は原則として各月現在であり、予測値は翌月以降3ヵ月間の見通し結果を集計したものである。
  4. 業況に対する総合判断は、各企業が同種産業の業況の状態を判断した結果である。

 

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小売業

運輸・サービス業

 

顔でわかる県内13市の経営動向

 

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業種別に見た6月の動向
●生産(売上・工事高)は前年を上回った(前年並みを含む)が、収益は前年を下回った業種
青果市場 売上は前年を維持し、収益は前年を下回って推移している形だが、売上面では企業個々にバラツキが見られる
●生産(売上・工事高)、収益ともに前年を下回った業種
砂利・採石・非金属鉱業 生産、収益ともに前年を下回って推移している
土木工事業 工事高、収益ともに前年を下回って推移している
建築工事業           〃 〃
設備工事業           〃 〃
食料品製造業全体 生産、収益ともに前年を下回って推移している
畜産食料品製造業           〃 〃
水産食料品製造業           〃 〃
パン・生菓子製造業           〃 〃
ビスケット・干菓子製造業           〃 〃
酒造業 蔵出量、収益ともに前年を下回って推移している
麺類製造業 生産、収益ともに前年を下回って推移している
豆腐・油揚製造業           〃 〃
メリヤス製品製造業           〃 〃
縫製業           〃 〃
一般製材業           〃 〃
木材・チップ製造業           〃 〃
合板製造業           〃 〃
建具製造業           〃 〃
印刷・製版・製本業           〃 〃
生コンクリート製造業           〃 〃
コンクリート製品製造           〃 〃
鋳物工業           〃 〃
金属製品製造業           〃 〃
一般機械器具製造業           〃 〃
電気機械器具製造業           〃 〃
輸出用機械器具製造業           〃 〃
精密機械器具製造業           〃 〃
衣料品卸売業 売上、収益ともに前年を下回って推移している
生鮮魚介類卸売業           〃 〃
飲・食料品卸売業           〃 〃
一般機械器具卸売業           〃 〃
家電卸売業 売上は再び前年を下回り、収益も前年を下回って推移している
建材卸売業 売上、収益ともに前年を下回って推移している
大規模小売店舗 売上は再び前年を下回って推移し、収益も再び前年を下回った
中・小スーパーマーケット 売上、収益ともに前年を下回って推移している
衣料品小売業           〃 〃
靴・履物小売業           〃 〃
各種食料品小売業           〃 〃
酒販店           〃 〃
食肉小売業           〃 〃
鮮魚・乾物小売業           〃 〃
果実小売業           〃 〃
自動車販売業           〃 〃
自転車小売業           〃 〃
家具店           〃 〃
家電店           〃 〃
医薬品・化粧品小売業           〃 〃
農耕用品小売業 売上は再び前年を下回り、収益も再び前年を下回って推移している
ガソリンスタンド 売上、収益ともに前年を下回って推移している
書籍文房具小売業           〃 〃
スポーツ用品小売業           〃 〃
時計・カメラ・眼鏡小売業           〃 〃
タクシー業           〃 〃
道路貨物運送業           〃 〃
観光旅館           〃 〃
ビジネスホテル           〃 〃
クリーニング業           〃 〃
理容業           〃 〃
美容業 売上、収益ともに再び前年を下回った
自動車整備業 売上、収益ともに前年を下回って推移している
食堂・レストラン           〃 〃

 

 
アンケート回答企業のコメントを紹介します(6月分)

  • 業界を含め、全般的景気が少なくとも9月あたりから上昇気運が出て来なければ、人員削減等思い切った手を打たないとならない。(生コン業)
     
  • サッカーW杯の影響か、映像商品の伸びが目についた。(中小スーパー)
     
  • いわゆる「老舗」は、今一番苦しい。売上が少なくなり掛け売りしてしまうが、支払いもなく資金繰りが悪くなり、悪循環になってしまう。生き残り作戦も、一時は良い様に思えるが、お客様の方であきてしまうイベントが多い様に思える。(果実小売業)
     
  • 肥料業界も他にもれず厳しく、減反増でいよいよ競争が激しくなっている。しかし、特長ある商品を独自の使用法(組合せ)で、栽培まで現地指導する事で生き残られるものと信じている。値引き競争ではなく、指導競争、相談競争の時と思っている。(農耕用品小売業)

 

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