特 集●平成12年度「環境」に関する実態・意識調査結果(3/3)
特 集●平成12年度「環境」に関する実態・意識調査結果


産業廃棄物の減量化、再資源化
「既に取り組んでいる」が37.5%

 図7-1は、産業廃棄物について「自社」・「他社と共同」で処理している理由をみたものである。「処理・処分費用の軽減」が51.5%と最も高く、以下、「資源の再利用」39.1%、「特に理由はない」14.2%、「地球環境保護」12.4%、「埋立最終処分量の軽減」10.7%、となった。前年比では、「資源の再利用」6.9ポイント増加、「地球環境保護」6.7ポイント増加となった。

図7−1

 図7-2は、「自社」・「他社と共同」処理の場合の問題点をみたものである。「手間がかかる」の30.8%が最も高く、以下、「コストが高い」30.2%、「問題はない」29.6%、「施設・設備の設置が難しい」24.5%、「地域住民との関係」13.8%となった。前年比では、「コストが高い」と「手間がかかる」がそれぞれ14.1ポイント、12.4ポイントの大幅な増加、「ノウハウ・技術不足」5.4ポイント増加となった。

図7−2

 図8は、リサイクル処理の場合の問題点をみたものである。「コストが高い」の41.5%が最も高く、以下、「手間がかかる」37.8%、「問題はない」31.1%、「施設・設備の効率が悪い」15.6%、「リサイクル商品の販路に問題がある」14.1%、「推進体制が不十分」7.4%となった。前年比では、「コストが高い」16.0ポイント増加、「リサイクル商品の販路に問題がある」5.9ポイント減少となった。

図8

 図9-1は、専門業者に委託している理由についてみたものである。「適当な設備がない」の69.6%が最も高く、以下、「処理すべき量が少ない」31.6%、「委託するコストが低い」29.6%、「処分のノウハウがない」28.8%、「処理の施設・設備導入資金の調達が難しい」22.7%となった。前年比では、「委託する方がコストが低い」3.4ポイント増加、「処理すべき量が少ない」2.2ポイント増加、「処分のノウハウがない」7.1ポイント減少、「適当な設備がない」4.6ポイント減少となった。

図9−1

 図9-2は、専門業者委託の場合の問題点についてみたものである。「処理料が高い」の65.8%が最も高く、以下、「いつまで委託できるか不安である」31.2%、「問題はない」23.1%、「質や量の問題で委託が円滑にいかない場合がある」13.9%となった。前年比では、「処理量が高い」5.5ポイント増加、「質や量の問題で委託が円滑にいかない場合がある」2.2ポイント増加となった。

図9−2

 図10は、産業廃棄物の減量化、再資源化への取組状況をみたものである。「既に取り組んでいる」が37.5%と最も高く、以下、「現在は取り組んでいないが計画はある」28.0%、「わからない」17.9%、「現在も取り組んでいないし、その予定もない」16.6%となった。前年比では、「既に取り組んでいる」3.8ポイント増加、「現在は取り組んでいないが計画はある」2.8ポイント減少となった。

図10

 図11は、減量化、再資源化の取り組み程度(段階)をみたものである。「製造段階」の49.1%が最も高く、以下、「原材料購入段階」36.8%、「流通・販売段階」15.5%、「その他」15.9%、「技術開発・製品開発段階」14.1%となった。前年比では、「技術開発・製品開発段階」9.3ポイント減少、「原材料購入段階」6.8ポイント減少となった。

図11

 図12は、環境に関して希望する事項についてみたものである。「支援策等の紹介」の50.3%が最も高く、以下、「業界動向情報の提供」37.9%、「先進事例の紹介」36.8%、「技術・製品情報の提供」34.8%、「講習会等の開催」28.9%、「先進企業の見学」14.0%、「機器・設備の展示」10.7%となった。前年比では、「技術・製品情報の提供」7.6ポイント増加、「先進企業の見学」2.8ポイント増加、「先進事例の紹介」5.2ポイント減少、「業界動向情報の提供」2.7ポイント減少となった。
*なお、図中の回答数は本年度の実績である。

図12

 最後に、今回の調査にご協力いただいた企業の環境に関してのご意見、経営上の問題点、要望等を紹介します。なお、紹介するのは「支援策等に関する要望」、「コスト上の問題点」の2点に関するものです。

環境に関する要望、ご意見

支援策等に関する要望
岩手県の再資源を岩手県で商品化できないことが残念である。県内の産業で種々の廃棄物がどれくらい発生し、どの様に設備・施設を計画して産業を活性化するのか、環境を保護・保全するのか示して欲しい。(飲食料品製造業)
県内に特別管理産業廃棄物を処分できる業者はほとんどなく、また、県外処分では事前協議に数ヶ月かかる。県内業者の育成、県外処分手続きの簡素化が望まれる。(鉄鋼業・鋳物業)
公的機関は法律の紹介や調査には来訪するが、具体的な解決策は何も提案しないのが不満である。(非鉄金属製品製造業)
県内に処分施設がないために他県へ出しているものがある。それらを受け入れる処分施設を整備して欲しい。また、問い合わせをした場合きめ細かな対応をして欲しい。(金属製品製造業)
廃棄物処理の法規制が厳しくなるに従い、処理業者が廃棄物を受け入れなくなってきている。行政として規制ばかりでなく、適正処分の環境整備及び技術支援に力を入れて欲しい。(電気機械器具製造業)
環境問題に対する経費を自社だけで対応することは難しく、また、現在の価格競争の中顧客に要求することも難しい。中小企業にとっては大きな負担である。適切な行政指導を望む。(精密機械器具製造業)
コスト上の問題点
リサイクル材はコストが高いにも関わらず、県や市町村の発注単価はそれに見合うだけの水準にない。よって、リサイクル材の使用先は民間工事や自社での消費に限られてしまう。(建設業)
現在の景気低迷の中、企業経営は工事原価の圧縮、一般管理費の切り詰め等、コスト削減に努力する毎日であり、環境問題に真剣に取り組む余裕がないのが実情である。(建設業)
産業廃棄物処理委託費が経営に大きな負担となっている。ダイオキシンの問題で現在使用している焼却炉も使用できなくなり、代替設備の投資もできずにおり困惑している。(建設業)
他社と共同で処理できるものは路盤材としてリサイクルしているが、処理できないものは業者に委託して埋立処分を行っている。自前の処理施設があればほぼ全量リサイクルできると思われるが、設備が高価で導入できないのが現状である。(窯業・土石製品製造業)




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