初任給・新卒者採用調査(1/3)
特 集●平成13年度新卒者の採用予定および初任給調査結果

「採用予定なし」53.8%  「採用予定あり」を上回る 
初任給は全学歴において増加

 (財)いわて産業振興センターでは、今春の採用状況および新卒者の初任給について調査を行った。その結果、「採用予定なし」とした企業の割合が53.8%、「採用予定あり」とした企業の割合が46.2%となり、9年前この調査項目を設けて以来、初めて「採用予定なし」が「採用予定あり」を上回った。
このような中、新卒者の初任給見込額は全学歴で増加となった。

 この調査は県内各地の職業安定所発行の新卒者求人一覧表を基に、当センターが選定した企業1,225社を対象として平成12年12月1日現在で実施したものである。有効回収サンプル数は487企業(回収率39.7%)で、このうち初任給額算出のサンプルとした有効回答は207企業(有効回答率16.9%)である。なお、業種別の内訳は、鉱業・建設業107、製造業180、卸売業36、小売業76、運輸・サービス業88となっている。

採用予定なし53.8%し

 図1は、企業における採用予定状況(当調査過去9年間)をみたものである。「採用予定なし」の企業が53.8%と、「採用予定あり」の46.2%を上回り、9年前この調査項目を設けて以来、初めて「採用予定なし」が「採用予定あり」を上回った。
図1

 図2は、「採用予定なし」の企業のうち採用しない理由をみたものである。「人員・人材が足りている」48.5%、「採用したいが控えている」25.0%、「経営環境の悪化のため」20.2%となっており、経営環境の厳しさと、新卒者の採用に対する企業の慎重な姿勢が窺われる。
図2

大きい業種間格差

 表1は、業種別にみた採用予定状況である。「採用予定あり」が「採用予定なし」を上回っているのは製造業とサービス業の2業種のみであり、他の4業種においては全て「採用予定なし」が「採用予定あり」を上回っている。卸売業、運輸業は「採用予定なし」がそれぞれ86.1%、78.6%と高く、特にこの業界の厳しさが窺える。また、全ての業種を通じ「採用予定あり」の8割以上が「概ね計画通り採用できる」としており、雇用市場における買い手優位の傾向が見受けられる。
表1

地域間に雇用環境の違い

 図3は、広域生活圏別にみた採用予定状況である。「採用予定あり」が「採用予定なし」を上回ったのは製造業の集積度が高い岩手中部(64.1%)と両磐(62.0%)である。他地域は全て「採用予定なし」の割合が多くなっており、地域間格差が見受けられる。
図3




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