景気見通し調査結果(1/3)
特 集●平成13年景気見通し調査結果

売上げ・収益見通しとも全てマイナス

平成12年の我が国経済は、景気対策、IT革命などによる波及効果が期待されたが、本格的な景気回復には至らなかった。一方、県内経済も、一部業種においてD.I.値上昇における回復の兆しはみられるが、未だ本格的な回復には至らなかった。
以上の状況を踏まえ、(財)いわて産業振興センターでは、県内企業の経営の参考にしていただくため、平成13年景気見通し調査を本年度も実施した。
また、回答のあった企業に対し、経営者を対象に書面調査及び面接調査を実施し、調査結果と県内各地区の現状の両面から平成13年度の景気見通しを分析した。

 この調査は、当センターが昭和50年から実施しているもので、県内中小企業が平成12年の実績等から本年の景気を予測したものである。調査時点は平成12年11月1日、対象企業は毎月当センターが実施している経営動向調査先66業種、1,650企業である。
 回収数599企業(回収率36.3%)、うち有効回答数は481企業(有効回答率29.1%)であった。
 有効回答企業の業種別内訳は、鉱業13、建設業69、製造業167、卸売業55、小売業114、運輸業24、サービス業39である。

売上・収益とも下回る見通し

 表1は、平成13年の業種別四半期ごとの売上・収益見通し(平成12年を100%とする)である。
 売上見通しは、年間平均予測(四半期の単純平均、以下、平均)は96.2%、1〜3月期95.7%、4〜6月期96.0%、7〜9月期96.3%、10〜12月期96.9%であり、四半期すべてにおいて前年を下回るとしている。
 これを業種別にみると、鉱業では1〜3月期92.7%が最も高く、また、10〜12月期の88.8%は全業種中最も低い。平均は90.8%となっている。建設業では1〜3月期が最も高く94.1%、平均91.5%である。製造業では10〜12月期が最も高く99.0%、平均も98.0%とサービス業と並び全業種中最も高い。卸売業では10〜12月期97.0%が最も高く、平均95.2%。小売業は10〜12月期97.6%が最も高く、平均97.0%。運輸業は10〜12月期 97.7%が最も高く、平均95.8%。サービス業は7〜9月期99.3%が最も高く、平均98.0%となっている。
 一方、収益見通しは、平均94.2%、1〜3月期93.6%、4〜6月期94.1%、7〜9月期94.3%、10〜12月期95.0%であり、ここでも四半期すべてにおいて前年を下回る。

表1

資金繰り 46.4%が「今年と変わらない」

 図1資金繰りの見通しについてみたものである。全業種では「今年と変わらないと思う」が46.4%と最も高く、「苦しくなる」(「やや苦しくなる」を含む)が37.8%となり、「楽になる」(「やや楽になる」を含む)が9.9%となっている。
 これを業種別にみると、建設業を除く6業種で資金繰りは「今年と変わらないと思う」と回答した企業が過半数近くを占めている。また、「苦しくなる」が「楽になる」を大幅に上回っており、その中でも建設業の59.4%が目立っており、前年調査同様厳しい予測をしている。

図1

ベースアップの有無 43.9%の企業
「現段階ではどちらともいえない」

 図2ベースアップ予定の有無についてみたものである。全業種では「ベアなし」とする企業が38.0%(前年調査71.1%)、「ベアあり」18.1%(同28.9%)、「現段階ではどちらともいえない」43.9%(前年調査、同項目なし)となっている。前年に比べて、現状で「ベースアップをする」とする企業は10.8ポイント減っており、依然厳しい見通しであることがここでも窺われる。
 業種別の最高、最低をみると、「ベア予定あり」ではサービス業の28.2%が最も高く、運輸業の4.2%が最も低い。「ベア予定なし」では小売業の48.2%が最も高く、サービス業の30.8%が最も低い。
 「現段階ではなんともいえない」では建設業、製造業が53.6%と同値で最も高く、小売業の30.7%が最も低い。
 次に図3は図2において「ベアあり」と回答した企業でそのベースアップ率の割合についてみたものである。最も高いのは「2.1〜3.0%」で39.1%、次いで「1.1〜2.0%」24.1%、「4.1〜5.0%」10.3%、「3.1〜4.0%」8.0%、「0.1〜1.0%」と「未定」が同値で6.9%、「6.1%以上」4.6%となっている。
図2

図3


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