特集●情報化企業の紹介(2/3)


2.情報システムの内容
 今回、上記の主要情報システムを中心に、システムが再構築された。その主な内容は次のとおりである。
(1)グループウェアシステム
今回新たに導入されるグループウェアの内容を見ると、当社が情報システムに何を望んでいるかの一端が理解できる。
 グループウェアの概要は以下のようになっている。
[1]トップページ 
 社内の伝言板やログインユーザーのスケジュールを表示。
[2]出退勤掲示板(図2)
 出退勤掲示板を表示。
[3]週間工程表
 全工事の週間工程表が表示され、入力・印刷可能。
[4]社長スケジュール
 社長の月間スケジュールを表示、入力 。
[5]個人スケジュール
 各個人のスケジュールを表示、入力。
[6]ホームページ
 会社のホームページにジャンプ。
[7]カレンダー
 社内カレンダーを表示、入力。
[8]工事一覧
 未成/完成工事の工期などの情報 を表示。
[9]取引先一覧表
取引先の住所や電話番号、担当者などの情報を表示。
[10]お知らせ
 伝言板を内容表示。
グループウェアを導入することで、情報共有化の範囲が既存のLANシステムから拡大した。ただし、社外からのアクセスも可能となるため、セキュリティ面への対策や情報公開の範囲などアクセス制御への配慮が必要となるような問題も生じるのではないかと懸念している。
図2 出退勤掲示板

(2)就労管理システム
[1]就労管理システム及び日報管理システムで、総務課で行っている処理を全て一連の流れで行えるようになり、業務の流れがスムーズになり、運用面での簡略化が図られる。
[2]データアクセスは、総務課以外からのアクセスが不可能になる。
[3]現行の帳票に、「現場別賞与配賦表」、「間接費配賦表」を追加した。
[4]OCR読取処理以降の処理が全てLAN対応になり、クライアント側のパソコンで処理できるようになった。
[5]就労報告書(OCR用紙)のレイアウト を新システム対応に変更した。
[6]高速データベースの使用により、処理速度の飛躍的な向上が見込まれる。
[7]画面照会を全帳票に適用するため、ペーパーレス化が図られる。
[8]帳票が全てカラー対応になるため、より見やすい管理帳票が作成できる。
([6]、[7]、[8]は日報管理システム、出退勤管理システムでも共通の改善点である。)
(3)日報管理システム
[1]入力機能を強化し、現場ベースでの原価管理が可能となった。
[2]各種帳票をExcelからVisual Basicに変更して作成。
日報管理システムの機能を強化することにより、「原価の発生場所」である現場の管理水準を高めるねらいもある。
社内経費(減価償却費などの工事間接経費・損料)も実行予算の段階から現場に負担させることにより利益管理・経費管理の責任を負わせている。
 労務費のなかで配賦が難しいとされている賞与についても新システムからは、半期ごとの賞与を各現場に配賦が可能となった。これで一部の間接経費を除いて、原価の現場配賦が行われることになり利益管理も正確なものになりつつある。(図3)
図3 日報管理システム
(4)出退勤管理システム
[1]出退勤掲示板をイントラネット上で参照できるようになった。
[2]データ収集間隔をリアルタイムに近い形で時間設定できる(実際の設定値は5分間隔)。表示に要する時間も大幅に短縮できる。
(5)ハードウェア・OS
従来のクライアント/サーバー方式に変更はないが、新システム構築に際してサーバーを増設し、新サーバーはSQLサーバーとして利用し、旧サーバーはメールサーバーに充てて機能を分担させた。クライアント側のパソコンは今回増設を行わなかったが、適宜追加していく。サーバーのOSはWindows−NT、クライアント側のパソコンのOSは、Windows95とWindows98が混在している。



| 前のページへ |   | 次のページへ |

目次に戻る