特 集●平成12年賃金実態調査結果(1/3)

特 集平成12年賃金実態調査結果
賃上げ額 2,778円 賃上げ率 1.09%
賃上げ率では前年を下回る

 (財)いわて産業振興センターは、平成12年8月1日現在で県内中小企業を対象に賃金実態調査を実施した。有効回収サンプル数は219企業(労働組合(以下、労組)所有企業36、未組織企業183)であった。(前年の有効回収サンプル数:労組所有企業62、未組織企業237)
 なお、本調査のとりまとめにあたっては、県商工労働観光部労政能力開発課が平成12年6月30日現在でまとめた県内の労組を所有する158企業の賃上げ妥結状況の調査結果を参考にした。
 図1は、賃上げ額と賃上げ率の推移を年次別にみたものである。
 これによると、賃上げ額は未組織企業2,778円(前年調査2,556円)、労組所有企業3,606円(同4,628円)となった。また、賃上げ率は、未組織企業1.09%(前年調査1.28%)、労組所有企業1.55%(同1.86%)となり、平成3年以降、賃上げ額、賃上げ率とも減少し続けている。
図1 賃上げ額と賃上げ率の推移

平均初任給 全学歴において
前年調査を上回る結果
 表1は、今年度の新規学卒者の平均初任給(残業手当、賞与を除く)を前年実績と比較したものである。本調査の回収サンプル中、採用があった企業は75(内、労組所有企業8、未組織企業67)である。
 これを有効サンプルの支給額で学歴別に前年比較でみると、その他女性(前年比5,486円の増加)、大卒女性(同4,900円の増加)、大卒男性(同4,779円の増加)、高卒女性(同553円の増加)、高卒男性(同121円の増加)、その他男性(同104円の増加)とすべての学歴において前年を上回った。
 対前年上昇率では、前年調査時に大卒女性のみがプラスであったのに対し、本年度はすべての学歴においてプラスであった。
表1 学歴別初任給の状況

賃上げ率昨年に続き低下の傾向
 表2は、県労政能力開発課(労組所有企業)と当センター(未組織企業のみ)の賃上げ状況に関する調査結果を業種別にみたものである。
県労政能力開発課がまとめた県内の労組所有企業158社の賃上げ妥結状況によると、賃上げ前基準内賃金が232,014円、妥結額3,606円(前年調査4,628円)、賃上げ率1.55%(同1.86%)となり、妥結額、賃上げ率ともに前年調査を下回った。
これに対し、当センターがまとめた県内の未組織企業183社の賃上げ状況は、賃上げ前基準内賃金が241,151円、賃上げ額2,778円(前年調査2,556円)、賃上げ率1.09%(同1.28%)となった。
賃上げ額と賃上げ率を労組所有企業、未組織企業別に前年比でみると、労組所有企業で額1,022円の減少、率▲0.31%の減少、未組織企業で額222円の増加、率▲0.19%の減少であった。
 また、個別業種ごとの比較では、製造業の精密機械器具、建設業を除くすべての業種において労組所有企業が未組織企業を上回っており、賃上げ率では製造業の食料品を除くすべての業種で未組織企業が労組所有企業を下回った。
表2 平成12年度春季ベースアップ状況




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