隙間でキラリ 最高の技術で業界第一位のシェアを誇る |
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柳橋 民治(やなぎはし たみはる)様
【(株)東光舎 岩手工場 取締役工場長 】
昭和22年生 北海道出身 勤続18年
株式会社 東光舎 会社概要 |
所在地 |
(本社)東京都文京区本駒込6-12-16 |
(岩手工場)岩手町川口11-3 |
TEL 0195(65)2225 |
FAX 0195(65)2224 |
資本金 |
1200万円 |
社 長 |
井上 弘 |
従業員 |
50人 |
売上高 |
806百万円(平成10年8月見込み) |
創 業 |
大正 6年 8月 |
事業内容 |
理容、美容用はさみ製造業 |
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柳橋さんのご経歴は。
柳橋: 30才をちょっと過ぎたとき、この会社が岩手県へ進出する直前に入社しました。それ以来岩手工場で、理美容用はさみの製造一筋です。結局、岩手県に永住することになりました。
岩手への立地と操業の理由などは。
柳橋: 昭和56年までは東京の板橋区で操業していましたが、回りが住宅地になり、騒音などの問題もあり操業ができなくなりました。地方展開を計画したとき、現社長の奥様が岩手県の出身であった関係で、ここに土地を取得し、操業しました。当初、盛岡以南を探したのですが、岩手町の強い要望もあったのでここに決め、県と町の誘致企業として進出しました。
本社と工場の機能分担など。
柳橋:
東京は管理と営業とを担当し、工場は製造だけですが、社長が毎月末に工場にきて開発・工程会議を開いています。それと、東京の本社とこの工場のほか、アメリカに海外向けの販売のための支店があります。
手堅い経営をなさっているとの印象をうけますが。
柳橋:
マーケットが限定された小さなパイですので、中長期の需要予測が正確にできます。その上、当社は創業以来80年間余り営々として蓄積した経験とノウハウがありますので、いきおい「手堅い経営」という印象を与えるのでしょう。お陰様できっと国内でのシェアは一番だと思います。
この工場で自慢できることなどは。
柳橋:
典型的な中小企業分野で、いわゆる隙間産業ですので、旧態依然たる手作業に負う工程が相変わらずあります。少しずつ機械化を進めていますが、専用機のため費用が大きいのが悩みの種です。8年前からは原材料在庫から完成品までの生産管理をコンピュータ化しました。それと、分業化が主流のこの業界にあって、ほとんど一貫生産していることが自慢できる点です。
唯一の製品である理美容用はさみには絶大の自信がおありですね。
柳橋: 当社は、35年前から理美容用はさみだけを生産していますが、当初は医療用はさみの製造から始まりました。医療用はさみの生産には、刃物製造のあらゆる技術と最高水準の技術が必須です。そんな業歴もあって、お客様に喜ばれる「切れ味がよく、使い勝手がよい」はさみになっていると思います。
輸出割合が高く、円相場の動向は気になりますね。
柳橋:
生産の6割以上が輸出ですので、毎日の動きが気になります。3年ほど前、1ドルが80円をきるほどに高騰した時期がありましたが、あの時には食べ物がのどを通らない状態でした。また、よくないんですが、円相場で影響をうけるため、どうしても経費の削減策には本腰を入れて取り組めないところがかつてはありました。
景況が長くにわたって低迷していますが、将来展望、抱負は。
柳橋:
これまでどおり「手堅い経営」に徹し、国内と海外の販売割合を同等にし、その上で業界第一の地位を確保することです。それと、県内の関係業界、例えば包装関係の業界ともお付き合いしていきたいと考えています。
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