0701.gif (11412 バイト)

特集●平成10年賃金実態調査結果

賃上げ額 4,538円、賃上げ率 2.27%
賃上げ額・率ともに底ばいで推移


 岩手県産業情報センターは、平成10年7月31日現在で県内中小企業を対象に賃金実態調査を実施した。有効回収サンプル数は243企業(労組所有企業35、未組織企業208)である。(前年の有効回収サンプル数:労組所有企業23、未組織企業216)
 なお、本調査のとりまとめにあたっては、県商工労働観光部労政能力開発課が6月30日現在でまとめた県内の労組を所有する196企業の賃上げ妥結状況の調査結果を参考にした。

 

初任給 高卒除き前年下回る

 表1は、今年3月の新規学卒者の平均初任給(ベースアップ、残業手当、賞与を除く)に関して前年度と比較したものである。本調査回収サンプル中今春採用有りとした企業は、172企業(労組所有企業27、未組織企業145)である。
 これによると、支給額では、「高卒男子」(前年比2,967円)、「高卒女子」(同3,361円)がそれぞれ前年を上回ったほかは、、「大卒男子」(同△8,229円)、「大卒女子」(同△12,935円)、「その他(短大、専門学校卒)男子」(同△3,570円)、「その他女子」(同△10,513円)と軒並み前年を下回った。伸び率でも、高卒男子、同女子以外は前年を下回る結果となっており、特に、大卒女子、その他女子では支給額、伸び率ともに前年を大きく下回る結果となった。
 

表1 初任給に関する主な項目の対 (単位:円、%)

  支給額 対前年上昇率
(%)
男女格差
(各学歴男子=100)
学歴格差
(高卒=100)
10/3卒 9/3卒 10/3卒 9/3卒 10/3卒 9/3卒 10/3卒 9/3卒
高卒 男子 150,695 147,728 2.0 3.2 - - 100.0 100.0
151,108 146,289            
女子 139,653 136,292 2.5 -2.0 92.6 93.1 100.0 100.0
140,025 131,310            
大卒 男子 183,234 191,463 -4.3 9.0 - - 121.5 129.6
185,866 185,757            
女子 169,707 182,642 -7.1 11.9 92.6 98.3 121.5 134.0
174,672 170,261            
その他
(短大、
専門学校)
男子 166,780 170,350 -2.1 5.7 - - 110.6 115.3
173,289 169,605            
女子 146,987 157,500 -6.7 10.5 88.1 92.8 105.2 115.5
148,897 139,970            
※( )内は未組織企業 

 

賃上げ率 労組有で過去最低

 表2は、県労政能力開発課(労組所有企業)と当センター(未組織企業)の賃上げ状況に関する調査結果を比較したものである。県労政能力開発課がまとめた県内の労組を所有する企業
196企業の賃上げ妥結状況についてみると、賃上げ前基準内賃金が222,591円、妥結額5,300円(前年同期6,252円)、賃上げ率2.38%(同2.84%)となり、妥結額、賃上げ率ともに前年を下回った。特に、賃上げ率は昭和33年の調査開始以降、最低となっている。これに対して、当センターがまとめた県内の未組織企業208企業の賃上げ状況は、賃上げ前基準内賃金が199,561円、賃上げ額4,538円(前年調査4,337円)、賃上げ率2.27%(同2.34%)となり、賃上げ額では前年を僅かに上回ったものの、賃上げ率では前年を下回った。
 労組所有企業と未組織企業の賃上げ状況を比較すると、労組所有企業が、賃上げ前基準内賃金で23,030円、賃上げ額762円、賃上げ率でも0.11ポイント上回っている。
 また、個別業種ごとに賃上げ状況を比較しても、製造業の一部で未組織企業が労組所有企業を上回ったものがあるが、全般に、賃上げ額・率とも労組所有企業が上回っている。
 
図1により賃上げ状況の推移をみると、未組織企業では、平成8年以降、賃上げ額・率ともにほぼ底バイで推移している。

表2 平成10年度春季ベースアップ状況 (単位:円、%)

  賃上げ前
基準内賃金
賃上げ額 賃上げ率 平均年齢

鉱業

151,537 X 5,536 X 3.65 X 45.2 X

建設業

231,784 247,654 4,838 5,074 2.09 2.05 41.1 37.4
製造業 食料品 180,666 226,164 2,969 5,068 1.64 2.24 43.7 42.1
繊維 141,866 195,344 2,629 4,142 1.85 2.66 37.3 41.3
木材・木製品・建具 237,894 211,279 4,845 1,329 2.03 0.63 44.1 43.0
パルプ・紙・紙加工 X 232,736 X 5,954 X 2.56 X 45.2
印刷・出版・同関連 181,341 226,928 4,630 5,714 2.55 2.52 35.0 40.2
化学 - 259,454 - 5,210 - 2.01 - 44.3
窯業・土石製品 251,540 241,071 4,648 5,579 1.85 2.40 43.6 42.3
鉄鋼 X 264,001 X 2,500 X 0.95 X 43.0
金属製品 206,959 207,876 5,170 4,805 2.50 2.31 35.9 36.3
一般機械器具 210,420 237,847 4,885 5,571 2.32 2.34 34.0 41.0
電気機械器具 169,229 213,848 4,508 5,144 2.66 2.41 35.3 34.9
輸送用機械器具 X X X X X X X X
精密機械器具 184,554 220,161 5,847 6,361 3.17 2.89 31.3 35.3
小計 188,732 225,663 4,320 5,050 2.29 2.24 36.8 40.1
卸小売業 卸売業 208,775 - 5,014 - 2.40 - 35.5 -
小売業 210,117 - 4,239 - 2.02 - 33.2 -
小計 210,181 208,059 4,566 5,861 2.17 2.82 33.8 32.8
運輸通信業 190,403 203,197 2,338 3,099 1.23 1.53 41.5 42.0
サービス業 188,061 228,548 5,104 6,199 2.71 2.71 41.1 38.4
合計 199,561 222,591 4,538 5,300 2.27 2.38 37.8 38.3

A:未組織企業(産業情報センター調査) B:労組所有企業(県労政能力開発課調査)
基準内賃金:毎月決まって支払われる賃金(基本給、住宅手当、家族手当、通勤手当など)
Xはサンプル数が2企業以下のため秘匿扱い。

 

980905.gif (32470 バイト)

 

建設業の落ち込み目立つ

 表3は、未組織企業の賃上げ状況を業種別に示したものである。賃上げ率をみると、鉱業が3.65%と最も高く、次いでサービス業2.71%、卸売業2.40%、製造業2.29%がそれぞれ平均を上回っている。前年に比較すると、鉱業3.65%(前年調査1.51%)、製造業2.29%(同2.05%)、サービス業2.71%(同1.36%)で前年を上回ったものの、建設業2.09%(同
3.24%)、卸売業2.04%(同2.96%)、小売業2.02%(同2.31%)では前年を下回った。また、製造業の中でも、個別業種ごとにみると、精密機械器具製造業が3.17%と平均を大きく上回っている反面、食品製造業では1.64%にとどまるなど、業種によりバラツキがみられる。
 賃上げ額をみると、ここでも鉱業が5,536円(前年調査3,353円)と最も高く、次いでサービス業5,104円(同2,409円)、卸売業5,014円(同6,285円)の順となっている。前年に比較すると、建設業
4,833円(同7,443円)、卸売業5,014円(同6,285円)、小売業(同4,544円)でそれぞれ前年を下回っており、特に、建設業は前年比△2,610円と大幅に減少した。
 
 

表3 未組織企業業種別賃上げ状況 (単位:円、%)

 

企業数

男 子 女 子
賃 金
基準内
賃上前
賃上額 賃上率 平均
年齢
賃 金
基準内
賃上前
賃上額 賃上率 平均
年齢
鉱業 3 156,249 5,806 3.72 45.8 120,694 3,768 3.12 41.4
建設業 54 242,827 5,059 2.08 41.5 207,705 6,108 2.94 34.3
製造業 83 215,227 5,089 2.36 36.0 147,415 4,823 3.27 38.0
  食品製造業 12 220,720 3,724 1.69 40.6 151,600 2,421 1.60 46.0
  繊維工業 10 188,711 5,212 2.76 34.7 128,465 1,890 1.47 37.0
  建具・木材関連産業 3 247,950 4,983 2.01 44.5 180,736 4,063 2.25 41.9
  紙製容器製造業 X X X X X X X X X
  印刷・製版・製本業 3 200,333 4,516 2.25 37.9 162,350 4,744 2.92 32.2
  窯業・土石製品製造業 3 258,041 4,778 1.85 44.1 191,274 3,446 1.80 38.5
  物工業 X X X X X X X X X
  金属製品製造業 13 215,964 5,409 2.50 36.5 158,871 3,889 2.45 32.6
  一般機械器具 16 223,377 5,224 2.34 34.4 158,066 3,514 2.22 32.7
  電気機械器具 14 195,771 5,490 2.80 33.2 144,756 3,604 2.49 37.3
  輸送用機械器具 X X X X X X X X X
  精密機械器具 6 199,862 6,626 3.32 31.9 151,574 4,171 2.75 30.1
卸売業 15 222,649 5,195 2.33 36.9 167,680 4,477 2.67 31.5
小売業 20 229,397 4,545 1.98 35.4 164,600 3,519 2.14 28.2
運輸業 6 192,842 2,376 1.23 41.9 153,824 1,767 1.15 35.7
サービス業 27 214,229 5,978 2.79 38.3 158,875 4,130 2.60 44.3
全業種 208 222,215 5,0773.72 2.28 37.8 153,879 3,451 2.24 38.0

 

  平 均
賃 金
基準内
賃上前
賃上額 賃上率 平均
年齢
鉱業 156,249 5,806 3.72 45.8
建設業 242,827 5,059 2.08 41.5
製造業 215,227 5,089 2.36 36.0
  食品製造業 220,720 3,724 1.69 40.6
  繊維工業 188,711 5,212 2.76 34.7
  建具・木材関連産業 247,950 4,983 2.01 44.5
  紙製容器製造業 X X X X
  印刷・製版・製本業 200,333 4,516 2.25 37.9
  窯業・土石製品製造業 258,041 4,778 1.85 44.1
  物工業 X X X X
  金属製品製造業 215,964 5,409 2.50 36.5
  一般機械器具 223,377 5,224 2.34 34.4
  電気機械器具 195,771 5,490 2.80 33.2
  輸送用機械器具 X X X X
  精密機械器具 199,862 6,626 3.32 31.9
卸売業 222,649 5,195 2.33 36.9
小売業 229,397 4,545 1.98 35.4
運輸業 192,842 2,376 1.23 41.9
サービス業 214,229 5,978 2.79 38.3
全業種 222,215 5,0773.72 2.28 37.8

 

「賃上げなし」 約1割

表4は、未組織企業の賃上げ状況を従業員規模別、賃上げ額別にみたものである。従業員規模別の回収サンプル企業の分布は、「1〜9人」が全体の6.3%、「10〜19人」が9.6%、「20〜29人」が13.0%、「30〜49人」が23.1%、「50〜99人」が32.7%、「100人以上」が15.4%となっており、50人未満の企業が全体の51.9%を占めている。規模別の賃上げ額についてみると、「20〜29人」が6,562円と最も高く、次いで、「50〜99人」4,598円、「100人以上」4,375円となっている。また、「1〜9人」と「100人以上」との開きは706円(前年調査2,667円)となり、規模間の格差は縮小した。賃上げ前基準内賃金でも、最も高い「30〜49人」の205,221円と最も低い「10〜19人」の195,579円との開きは、29,044円(前年調査34,786円)となり、同じく格差は縮小した。
 次に、賃上げ額別に回収サンプル企業の分布状況をみると、「2,500〜5,000円未満」が全体の32.7%と最も多く、次いで「5,000〜7,500円未満」27.4%、「2,500円未満」13.5%となっている。また、「賃上げなし」は11.1%と前年調査の37.0%から大幅に減少した。
 


表4 未組織企業従業員規模別賃上げ状況

  1〜9人 10〜19人 20〜29人 30〜49人 50〜99人 100〜 全体(前年調査)
賃上げなし 3 4 3 4 7 2 23 80
2,500円未満 1 6 2 5 11 3 28 19
2,500円〜5,000円未満 4 4 6 18 24 13 68 53
5,000円〜7,500円未満 1 1 7 16 17 12 57 31
7,500円〜10,000円未満 3 3 2 4 6 2 18 13
10,000円〜12,5000円未満 2 2 4 1 0 0 8 13
12,500円〜15,000円未満 0 0 2 0 0 0 2 4
15,000円以上 0 0 1 0 3 0 4 3
13 20 27 48 68 32 208  
賃上げ前基準内賃金 199,167 195,579 199,777 205,221 198,105 199,039 199,561  
(前年調査) 172,451 194,712 189,563 201,495 186,274 192,973 185,629  
賃上げ額 3,669 3,896 6,562 4,328 4,598 4,375 4,538  
(前年調査) 2,651 4,769 2,546 4,538 3,787 5,318 4,337  
賃上げ率 1.84 2.00 3.28 2.11 2.32 2.20 2.27  
(前年調査) 1.54 2.45 1.34 2.25 2.03 2.76 2.34  
平均年齢 35.6 40.3 37.8 37.8 38.2 37.5 37.8  

 

決定要因 「自社支給能力」を優先

 表5は、各社のベースアップの決定要因を調査したもので、要因を「物価上昇率」、「自社の支給能力」、「世間一般相場」、「労働力の確保」の4項目に絞り、重視した項目の順位をとりまとめたものである。
 全体では、第1位が「自社の支給能力」、第2位が「世間一般相場」、第3位が「労働力の確保」、第4位が「物価上昇率」となった。
 

表5 賃上げ決定要因

  物価上昇率 自社支給能力 世間一般相場 労働力の確保
業種別 鉱業 4 3 1 2
建設業 4 1 3 2
製造業 4 1 2 3
卸売業 4 1 2 3
小売業 4 1 2 3
運輸業 4 1 3 2
サービス業 4 1 3 2
規模別 1〜29人 4 1 3 2
30〜99人 4 1 2 3
100〜299人 4 1 2 3
300人以上 3 1 4 2
組織別 労組所有企業 4 1 2 3
未組織企業 4 1 2 3
全  体 4 1 2 3

 

支給総額 前年比では増加

 表6は、ベア後の基本給と各種手当の構成状況をまとめたものである。
 労組所有企業を含めた当センター回収分の平均支給総額は237,788円(前年調査218,900円)、平均基本給は195,671円(同187,264円)となり、前年に比較すると、支給総額で18,888円(8.6%増)、基本給で8,407円(4.5%増)とそれぞれ増加した。また、支給総額に占める基本給の割合は82.3%(前年調査85.5%)となった。以下、支給総額に占める各手当の割合は、「残業手当」5.9%(同7.4%)、「住宅手当」1.1%(同0.7%)、「家族手当」1.5%(同1.4%)、「通勤手当」2.2%(同2.5%)、「その他諸手当」5.7%(同8.3%)となっている。

表6 賃金構成状況 (単位:円、%)

  基本給 残業手当 住宅手当 家族手当
鉱業 155,893 100.0 9,623 9,623 50.0 2,991 1,174 100.0 4,752 4,752
建設業 226,335 77.2 16,799 13,411 29.8 5,549 2,423 49.1 6,572 4,105
製造業 195,532 75.7 20,134 16,984 38.8 4,558 2,067 72.8 4,667 3,355
  食品 175,715 91.7 15,220 14,580 50.0 3,814 1,713 50.0 3,116 1,278
  繊維 138,139 50.0 5,955 2,729 20.0 2,894 666 60.0 2,387 1,754
  建具・木材関連 220,409 X X X X X X X X X
  紙容器 X X X X X X X X X X
  印刷 177,276 X X X X X X X X X
  窯業 243,127 100.0 10,476 10,476 X X X 100.0 6,359 6,359
  鋳物 X X X X X X X X X X
  金属製品 200,582 76.9 26,472 23,319 38.5 5,458 2,069 76.9 5,289 3,940
  一般機械 201,123 81.2 20,645 16,116 50.0 9,718 5,874 68.8 3,745 2,016
  電気機械 161,029 71.4 17,394 15,199 28.6 2,412 1,617 85.7 5,911 5,625
  輸送用機械 X X X X X X X X X X
  精密機械 180,148 83.3 23,978 20,233 X X X 66.7 3,011 2,218
卸売業 201,180 76.5 14,859 11,763 52.9 8,896 6,232 64.7 6,109 4,682
小売業 200,517 69.2 12,619 8,134 30.7 11,571 2,862 84.6 5,254 4,550
運輸業 167,924 75.0 26,060 13,202 37.5 10,630 4,319 87.5 7,544 4,797
サービス業 182,376 89.3 11,565 8,328 50.0 8,851 3,328 71.4 3,472 2,880
全業種 195,671 77.4 17,735 14,038 38.7 6,048 2,622 69.5 4,943 3,684
労組所有企業 219,416 74.3 22,656 17,609 40.0 2,952 936 85.7 4,601 3,594
未組織企業 174,051 77.9 16,168 12,873 38.5 6,728 3,172 66.8 5,062 3,173

 

  通勤手当 その他諸手当 支給総額
鉱業 75.0 2,101 1,744 X X X 249,939
建設業 77.2 6,688 5,209 78.9 24,234 20,434 271,916
製造業 92.2 5,611 5,357 76.7 12,204 9,208 232,502
  食品 100.0 4,928 4,928 91.7 8,375 8,023 206,239
  繊維 90.0 4,433 3,936 60.0 20,547 11,,088 158,314
  建具・木材関連 100.0 4,716 4,716 X X X 260,610
  紙容器 X X X X X X X
  印刷 100.0 6,729 6,729 100.0 20,076 20,076 212,989
  窯業 100.0 6,626 6,626 X X X 270,999
  鋳物 X X X X X X X
  金属製品 92.3 5,536 5,536 61.5 22,416 12,637 248,086
  一般機械 93.8 6,735 6,295 75.0 18,102 12,569 243,992
  電気機械 85.7 5,888 5,466 87.5 8,252 7,262 196,199
  輸送用機械 X X X X X X X
  精密機械 100.0 6,800 6,800 83.3 12,469 9,533 220,169
卸売業 94.1 6,615 6,577 82.4 28,315 25,599 256,034
小売業 76.9 7,193 4,979 73.1 14,314 11,095 232,101
運輸業 75.0 11,060 5,603 75.0 43,090 26,377 222,222
サービス業 92.6 5,355 4,840 85.7 19,155 13,825 215,577
全業種 86.4 5,998 5,273 78.6 17,511 13,562 237,788
労組所有企業 80.0 5,645 4,895 80.0 11,785 8,858 255,307
未組織企業 87.5 6,112 5,396 78.4 19,308 15,098 232,071
※ A=支給企業比率 B=支給企業平均支給額 C=総平均支給額
 
 
役職手当採用企業前年上回る

表7は、役職手当の支給状況を示したものである。役職制度を採用している企業比率(労組所有企業を含む)は全体の81.9%(前年調査66.9%)を占め、前年に比べ大幅に増加している。業種別に見ると、鉱業、サービス業がともに100.0%と最も高く、次いで小売業96.2%、卸売業94.1%が総平均を上回っている。
 役職別の平均支給手当額は、「部長」が61,509円(前年調査59,659円)、「次長」46,903円(同41,133円)、「課長」36,914円(同35,281円)、「係長」18,724円(同17,131円)、「営業所長」35,658円(同42,358円)、「出張所長」29,430円(同72,500円)、「工場長」46,450円(同38,272円)、「作業班長」11,326円(同11,864円)となっている。

表7 役職手当支給状況 (単位:円、支給額は月額)

業種

役職

鉱 業 建 設 製 造 卸 売
年令 支給額 年令 支給額 年令 支給額 年令 支給額
部長 X X 50.7 59,967 51.2 69,530 50.4 52,865
次長 X X 47.6 47,454 47.1 50,083 46.6 42,266
課長 48.0 36,875 44.0 36,021 44.3 39,466 44.4 29,732
係長 43.3 15,500 40.6 23,060 40.2 17,275 37.4 17,088
営業所長 X X 52.5 42,500 44.3 46,666 40.8 26,813
出張所長 X X 56.0 X X X X X
工場長 X X X X 48.3 53,393 33.0 X
作業班長 X X 50.0   40.0 10,247 38.5 X
役職制度採用企業比率 100.0 68.4 79.6 94.1
 
 
  小 売 運 輸 サービス 総平均
年令 支給額 年令 支給額 年令 支給額 年令 支給額
部長 48.8 53,418 X X 49.0 58,928 50.4 61,509
次長 45.8 39,789 X X 44.9 48,688 46.6 46,903
課長 42.7 33,945 48.7 49,000 41.9 36,676 43.9 36,914
係長 36.2 21,072 44.7 15,000 38.3 19,193 39.4 18,724
営業所長 44.2 34,535 X X 40.5 33,750 44.6 35,658
出張所長 37.8 42,750 X X X X 39.6 29,430
工場長 40.0 19,666 X X 44.8 26,000 47.1 46,450
作業班長 32.8 12,250 X X 42.8 13,000 41.2 11,326
役職制度採用企業比率 96.2 62.5 100.0 81.9
※ Xは2社以下のため秘匿扱い 

 
 

戻る