深刻な状況が続く県内景況
7月の実績調査結果(全業種)
業界全体をみると、昨年初めから各指標は下降傾向にある。7月実績は、建設業、卸売業で各指標が上向いたものの、総じてみれば、依然深刻な状況が続いている。
生産・売上が前年同月に比べて増加したとするところは、調査票回収1,007企業(有効回収率61.0%)中、10.6%と前月調査の
9.7%を0.9ポイント上回った。一方、減少企業比率は56.9%と前月調査の55.7%を1.2ポイント上回ったことから、指標はほぼ横ばいとなった。
一方、収益は、増加企業比率が
6.1%と前月調査の 6.6%を0.5ポイント下回った。また、減少企業比率も60.5%と前月調査の58.9%を1.6ポイント上回ったことから、指標は下向いた。
資金繰りは好転3.4%(前月調査2.9%)、悪化49.5%(同43.9%)となっている。
8〜10月期の予測についてみると、生産・売上が前年同期を上回るとみているところは
7.3%と当月実績を3.3ポイント下回っている。一方、減少予測企業比率は56.7%と当月実績を0.2ポイント下回っている。このことから、予測通りならば指標は再び下向くことになる。
一方、収益予測では増加
4.8%(当月実績比1.3ポイント低下)、減少59.9%(同0.6ポイント低下)と指標はほぼ横ばいとなる。
資金繰り予測は好転4.2%(当月実績比0.8ポイント上昇)、悪化51.5%(同2.0ポイント上昇)となっている。
このように、先行き見通しについても、厳しい状況で推移することが予測される。
- DIとは、増加(好転)企業割合から減少(悪化)企業割合を減らした数値である。(増減は前年同月比)
- 7月までは実績値で8〜10月は予測値である。
- 調査時点は原則として各月現在であり、予測値は翌月以降3ヵ月間の見通し結果を集計したものである。
- 業況に対する総合判断は、各企業が同種産業の業況の状態を判断した結果である。
業種別に見た7月の動向
●生産(売上・工事高)は前年を上回った(前年並みを含む)が、収益は前年を下回った業種 |
医薬品・化粧品小売業 |
売上は前年を上回ったが、収益は前年を下回って推移している |
●生産(売上・工事高)は前年を上回った(前年並みを含む)が、収益は前年を下回った業種 |
酒造業 |
蔵出量は前年並みになったが、収益は前年を下回って推移している
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●生産(売上・工事高)は前年を下回ったが、収益は前年を上回った(前年並みを含む)業種 |
青果市場 |
売上は再び前年を下回ったが、収益は前年並みになった |
家電卸売業 |
売上は前年を下回って推移し、収益は前年並みになった形だが、いずれも企業個々にバラツキがみられる |
●生産(売上・工事高)、収益ともに前年を下回った業種
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砂利・採石・非金属鉱業 |
生産、収益ともに前年を下回って推移している |
土木工事業 |
工事高、収益ともに前年を下回って推移している |
建築工事業 |
〃 〃 |
設備工事業 |
〃 〃 |
食料品製造業全体 |
生産、収益ともに前年を下回って推移している |
畜産食料品製造業 |
〃 〃 |
水産食料品製造業 |
生産、収益ともに前年を下回って推移している
形だが、生産面では企業個々にバラツキがみられる |
パン・生菓子製造業 |
生産、収益ともに前年を下回って推移している |
ビスケット・干菓子製造業 |
〃 〃 |
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麺類製造業 |
生産、収益ともに前年を下回って推移している |
豆腐・油揚製造業 |
〃 〃 |
メリヤス製品製造業 |
〃 〃 |
縫製業 |
〃 〃 |
一般製材業 |
〃 〃 |
木材・チップ製造業 |
〃 〃 |
合板製造業 |
〃 〃 |
建具製造業 |
〃 〃 |
印刷・製版・製本業 |
〃 〃 |
生コンクリート製造業 |
〃 〃 |
コンクリート製品製造 |
〃 〃 |
鋳物工業 |
〃 〃 |
金属製品製造業 |
〃 〃 |
一般機械器具製造業 |
〃 〃 |
電気機械器具製造業 |
〃 〃 |
輸出用機械器具製造業 |
〃 〃 |
精密機械器具製造業 |
〃 〃 |
衣料品卸売業 |
売上、収益ともに前年を下回って推移している |
生鮮魚介類卸売業 |
〃 〃 |
飲・食料品卸売業 |
〃 〃 |
一般機械器具卸売業 |
〃 〃 |
建材卸売業 |
〃 〃 |
大規模小売店舗 |
〃 〃 |
中・小スーパーマーケット |
〃 〃 |
衣料品小売業 |
〃 〃 |
靴・履物小売業 |
〃 〃 |
各種食料品小売業 |
〃 〃 |
酒販店 |
〃 〃 |
食肉小売業 |
〃 〃 |
鮮魚・乾物小売業 |
〃 〃 |
果実小売業 |
〃 〃 |
自動車販売業 |
〃 〃 |
自転車小売業 |
〃 〃 |
家具店 |
〃 〃 |
家電店 |
〃 〃 |
農耕用品小売業 |
売上は再び前年を下回り、収益も再び前年を下回って推移している |
ガソリンスタンド |
売上、収益ともに前年を下回って推移している |
書籍文房具小売業 |
〃 〃 |
スポーツ用品小売業 |
〃 〃 |
時計・カメラ・眼鏡小売業 |
〃 〃 |
タクシー業 |
〃 〃 |
道路貨物運送業 |
〃 〃 |
観光旅館 |
〃 〃 |
ビジネスホテル |
〃 〃 |
クリーニング業 |
〃 〃 |
理容業 |
〃 〃 |
美容業 |
売上、収益ともに再び前年を下回った |
自動車整備業 |
売上、収益ともに前年を下回って推移している |
食堂・レストラン |
〃 〃 |
アンケート回答企業のコメントを紹介します(7月分)
- 円安による海外生産の利益減の為に、国内工賃にしわ寄せが来ている。県の特融資金は、売上15%以上の減少企業に適用される条件になっているが、売上増加、収益減で、企業にも適用して欲しい。(メリヤス製造業)
- この1年は、前年度同月に比べて落ちています(売上)。不景気の波が押し寄せて来た感じを実感しています。(総理大臣が代わっても何も期待しません。)中心商店街の沈下も、時代(車社会)の流れを見通せなかった店主側にも責任が有るように思います。今が、ふんばりどころなのだと思います。(衣料品小売)
- 新聞やテレビによる、岩手山火山活動に関する報道が誤った受け取り方をされて、入込客数がかなり減少した。報道各社に情報を流すにも、今すぐ危険はないという事と、万が一(水蒸気爆発程度と言われているが)爆発するとしても、数ヶ月前から前兆があるはずだから、それからでも遅くないという事をきちんと言ってもらいたい。(観光旅館)
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