
一段と後退している県内景況
5月の実績調査結果(全業種)
業界全体をみると、昨年初めから各指標は下降傾向にある。5月実績は、駆け込み需要の反動がみられた昨年との比較にもかかわらず、売上・収益ともに指標が大きく下向くなど、一段と後退している。
生産・売上が前年同月に比べて増加したとするところは、調査票回収1,081企業(有効回収率65.5%)中、
9.2%と前月調査の12.9%を3.7ポイント下回った。また、減少企業比率も52.6%と前月調査の47.3%を5.3ポイント上回ったことから、指標は再び下向いた。
また、収益も、増加企業比率が
6.4%と前月調査の 8.9%を2.5ポイント下回った。また、減少企業比率も56.9%と前月調査の50.8%を6.1ポイント上回ったことから、指標はここでも再び下向いた。
資金繰り資金繰りは好転4.2%(前月調査4.4%)、悪化43.8%(同38.0%)となっている。
6〜8月期の予測についてみると、生産・売上が前年同期を上回るとみているところは
7.5%と当月実績を1.7ポイント下回っている。一方、減少予測企業比率は52.1%と当月実績を0.5ポイント下回っている。このことから、予測通りならば指標は下向くことになる。
一方、収益予測では増加
5.8%(当月実績比0.6ポイント低下)、減少54.8%(同2.1ポイント低下)と指標は再び上向くことになる。
資金繰り予測は好転4.5%(当月実績比0.3ポイント上昇)、悪化47.2%(同3.4ポイント上昇)となっている。
このように、先行き見通しについても、厳しい状況で推移することが予測される。

- DIとは、増加(好転)企業割合から減少(悪化)企業割合を減らした数値である。(増減は前年同月比)
- 5月までは実績値で6〜8月は予測値である。
- 調査時点は原則として各月現在であり、予測値は翌月以降3ヵ月間の見通し結果を集計したものである。
- 業況に対する総合判断は、各企業が同種産業の業況の状態を判断した結果である。

業種別に見た5月の動向
●生産(売上・工事高)、収益ともに前年を上回った(前年並みを含む)業種 |
美容業 |
売上は再び前年を上回り、収益も前年並みを維持した |
●生産(売上・工事高)は前年を上回った(前年並みを含む)が、収益は前年を下回った業種 |
青果市場 |
生産は前年を上回って推移し、収益は再び前年を下回った形だが、売上面では企業個々にバラツキがみられる
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家電卸売業 |
売上は前年並みを維持し、収益は前年を下回って推移している形だが、売上面では企業個々にバラツキがみられる |
農耕用品小売業 |
生産は前年を上回って推移しているが、収益は再び前年を下回った |
●生産(売上・工事高)は前年を下回ったが、収益は前年を上回った(前年並みを含む)業種
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大規模小売店舗 |
売上は前年を下回って推移しているが、収益は再び前年を上回った |
●生産(売上・工事高)、収益ともに前年を下回った業種
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砂利・採石・非金属鉱業 |
生産、収益ともに前年を下回って推移している |
土木工事業 |
工事高、収益ともに前年を下回って推移している |
建築工事業 |
〃 〃 |
設備工事業 |
〃 〃 |
食料品製造業全体 |
生産、収益ともに前年を下回って推移している |
畜産食料品製造業 |
生産は再び前年を下回り、収益も前年を下回って推移している |
水産食料品製造業 |
〃 〃 |
パン・生菓子製造業 |
生産、収益ともに前年を下回って推移している |
ビスケット・干菓子製造業 |
〃 〃 |
酒造業 |
蔵出量、収益ともに前年を下回って推移している |
麺類製造業 |
生産、収益ともに前年を下回って推移している |
豆腐・油揚製造業 |
〃 〃 |
メリヤス製品製造業 |
〃 〃 |
縫製業 |
〃 〃 |
一般製材業 |
〃 〃 |
木材・チップ製造業 |
〃 〃 |
合板製造業 |
〃 〃 |
建具製造業 |
〃 〃 |
印刷・製版・製本業 |
〃 〃 |
生コンクリート製造業 |
〃 〃 |
コンクリート製品製造業 |
〃 〃 |
鋳物工業 |
〃 〃 |
金属製品製造業 |
〃 〃 |
一般機械器具製造業 |
〃 〃 |
電気機械器具製造業 |
〃 〃 |
輸送用機械器具製造業 |
〃 〃 |
精密機械器具製造業 |
〃 〃 |
衣料品卸売業 |
売上、収益ともに前年を下回って推移している |
生鮮魚介類卸売業 |
〃 〃 |
飲・食料品卸売業 |
〃 〃 |
一般機械器具卸売業 |
〃 〃 |
建材卸売業 |
〃 〃 |
中・小スーパーマーケット |
売上は再び前年を下回り、収益も前年を下回って推移している |
衣料品小売業 |
売上、収益ともに前年を下回って推移している |
靴・履物小売業 |
〃 〃 |
各種食料品小売業 |
〃 〃 |
酒販店 |
〃 〃 |
食肉小売業 |
〃 〃 |
鮮魚・乾物小売業 |
〃 〃 |
果実小売業 |
〃 〃 |
自動車販売業 |
〃 〃 |
自転車小売業 |
〃 〃 |
家具店 |
〃 〃 |
家電店 |
〃 〃 |
医薬品・化粧品小売業 |
〃 〃 |
ガソリンスタンド |
〃 〃 |
書籍文房具小売業 |
〃 〃 |
スポーツ用品小売業 |
〃 〃 |
時計・カメラ・眼鏡小売業 |
売上、収益ともに再び前年を下回った |
タクシー業 |
売上、収益ともに前年を下回って推移している |
道路貨物運送業 |
〃 〃 |
観光旅館 |
〃 〃 |
ビジネスホテル |
〃 〃 |
クリーニング業 |
〃 〃 |
理容業 |
〃 〃 |
自動車整備業 |
〃 〃 |
食堂・レストラン |
〃 〃 |
アンケート回答企業のコメントを紹介します(5月分)
- 景気低迷が続く中、今年2度目の所得税減税が実施されるが、景気回復の一因になりうるだろうか。低所得者層には、その恩恵も受けない人が多いのだ。それよりは、大幅な公共投資を前倒しで行うほうが、効果が上がると思われる。また、マスコミその他による、景気停滞の過激な情報が、個人消費の後退に拍車をかけているのではないか。早期の回復に期待している。(建築工事)
- 世の中不景気。政治家の打つ手がすべて遅い。日本の政治家は三流。手形の書替が急増する。(銀行が融資をしないため。)我々ディラーが、金融業も兼業せざるを得ない。(自動車販売業)
- 荷主企業の業績が悪く、20%〜30%の出荷ダウン。また、荷主企業の多くは、建設、建築、土木と現在の不況業種。このまま前半を過ごすと、企業の存続が危ぶまれる。したがって、まさに「公的資金」を必要とされる。(道路貨物運送業)
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