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特集●四半期(10〜12月期)景況調査結果

 

後退する県内景況
さらに悪化する来期見通し


 
 この調査は、県商工会連合会、県中小企業団体中央会、県内商工会議所及び商工会の協力のもとに実施したもので、回収サンプル数は、943企業である。業種別内訳は、鉱業・建設業126、製造業303、卸売業51、小売業307、運輸・サービス業156件となっている。
 10〜12月期の県内景況をみると、売上高(建設業では完工高)が昭和55年調査開始以来の最低数値を示し、また採算(経常利益)資金繰りもマイナス幅を拡大するなど、著しく後退している。
 また、来期(1〜3月期)の見通しについては、業種、地域両方でマイナスの予想であり、景気の先行き不透明感を反映しさらに悪化する見通しとなっている。

 

売上 DI値過去最低

 売上高(建設業では完工高)についてみると、全業種のDI値(前年同期比で増加と答えた企業割合から減少と答えた企業割合を減じた数値)は、△ 38.9(前期△29.5)と調査開始以来最低となった。
 業種別にみると鉱業・建設業△43.4(同△29.9)、卸売業△41.2(同△24.6)と10ポイント以上大幅にマイナス幅を拡大し、小売業△50.2(同△40.5)、製造業△28.7(同△20.5)、運輸・サービス業△32.3(同△26.3)でもマイナス幅を拡大した。
 来期の見通しについてみると、 全業種では△45.9と今期を7.0ポイント下回っている。業種別では鉱業・建設業△57.4、小売業△54.0、卸売業△ 47.1、運輸・サービス業△45.7、製造業△33.0といずれも今期を下回る予測をしており、特に鉱業・建設業の大幅な落ち込みが目立つ。
 

図1

 

仕入単価 引き続き上昇

 商品・原材料仕入単価についてみると、全業種のDI値(前年同期比で仕入単価が上昇と答えた企業割合から低下と答えた企業割合を減じた数値)は、1.8(前期△2.4)となり前年同期比プラスに転じた。
 業種別にみると、運輸・サービス業で△16.6(同△16.4)とマイナス幅を拡大した以外は鉱業・建設業△2.5(同△11.9)、製造業3.2(同△6.5)、小売業9.5(同9.0)、卸売業12.0(同10.9)と軒並み上昇した。
 一方、来期の見通しについてみると、全業種では4.4と今期を2.6ポイント上回っている。業種別にみても、製造業1.4と今期を下回っているほかは、卸売業22.0、小売業14.1、鉱業・建設業1.6、製造業1.4、運輸・サービス業△13.6と今期を上回っている。
 

図2

 

採算 さらに悪化傾向

 採算(経常利益)についてみると、全業種のDI値(前年同期比で増加と答えた企業割合から減少と答えた企業割合を減じた数値)は、△36.5(前期△29.8)とマイナス幅を拡大した。 業種別に見ると小売業△43.9(同△36.9)、鉱業・建設業△43.1(同△31.9)、卸売業△37.3(同△17.5)、 運輸・サービス業△33.5(同△31.2)、製造業△27.9(同△23.1)と軒並みマイナス幅を拡大した。
来期の見通しについてみると、全業種では△41.3と今期を4.8ポイント下回っている。業種別では、鉱業・建設業△57.7、卸売業△49.0、小売業△47.8、運輸・サービス業△35.8、製造業△27.9といずれも今期を下回っている。
 

図3

 

資金繰り 一層窮屈感強まる

 資金繰りについてみると、全業種のDI値(前年同期比で好転と答えた企業割合から悪化と答えた企業割合を減じた数値)は、△26.0(前期△22.3)と、マイナス幅をさらに拡大した。
業種別にみると、卸売業△22.0(同△23.2)、運輸・サービス業△21.6(同△23.7)とマイナス幅を縮小したが、小売業△34.1(同△27.5)、鉱業・建設業△28.8(同△21.0)、製造業△19.5(同△16.5)と軒並みマイナス幅を拡大した。 来期の見通しについてみると、全業種では△31.0と今期を5.0ポイント下回っている。業種別では鉱業・建設業△47.2、小売業△35.7、運輸・サービス業△25.3、卸売業△24.0、製造業△ 23.3と全ての業種で今期を下回ると予測している。
 

図4

 

「需要停滞」への懸念強まる

 企業の直面する経営上の問題点を業種別にみると、鉱業・建設業では、「官公需要の停滞」が第1位となり、以下「民間需要の停滞」、「技術者確保難」、「単価の低下」の順となっている。製造業では「需要の停滞」が第1位となり、以下「製品単価の低下」、「製品ニーズの変化への対応」、「人件費増加」の順となっている。卸売業では、「需要の停滞」が第1位となり、以下「販売単価の低下」、「大型店の進出による競争の激化」、「小売業の進出」の順となっている。小売業では、「大型店の進出による競争の激化」が第1位となり、以下「購買力の他地域への流出」、「需要の停滞」、「同業者の進出」の順となっている。運輸・サービス業では、「需要の停滞」が第1位となり、以下「料金の低下」、「参入業者の増加」、「ニーズへの対応」の順となっている。  小売業の「大型店の進出による競争の激化」以外はいずれも「需要の停滞」が問題点の1位に掲げられており前回までの調査よりも需要の停滞による業況の悪化を懸念する割合が強まっている。

 

売上見通し すべての地域で悪化

 本調査を県内9広域生活圏別に概観すると次のとおりである。
売上高については、気仙、二戸地域で今期並みもしくは上回ったほかはいずれも前期を下回った。採算(経常利益)については、盛岡、気仙、釜石地域が前期を上回ったほかはいずれも前期を下回った。資金繰りについては、盛岡、両磐、釜石地域以外は一段と窮屈感が強まった。  また、来期の見通し(売上高)については、全ての地域で今期を大幅に下回ると予想しており厳しい状況が予測される。
 地域別にみると、盛岡地域では、売上高△30.7(前期△24.5)とマイナス幅を拡大したが、採算△29.0(同△29.9)、資金繰り△23.0(同△26.6)とマイナス幅を縮小した。来期の見通し(売上)についは△34.7と今期を下回っている。
 岩手中部地域では、売上高△37.1(同△16.4)、採算△39.8(同△19.0)、資金繰り△29.4(同△12.5)といずれも大幅にマイナス幅を拡大した。来期の見通し(売上)については△ 43.7と今期を下回っている。
 胆江地域では、売上高△42.7(同△23.5)、採算△40.8(同△28.4)、資金繰り△25.8(同△20.6)といずれもマイナス幅を拡大した。来期の見通し(売上)については△52.3と今期を下回っている。
 両磐地域では、売上高△54.3(同△45.3)、採算△46.3(同△39.5)とマイナス幅を拡大したが、資金繰り△ 18.5(同△23.0)とマイナス幅を縮小した。来期の見通し(売上)については△57.7と今期を下回っている。
 気仙地域では、売上高△10.3(同△12.5)、採算△6.2(同△10.2)とマイナス幅を縮小したが、、資金繰り△10.4(同△5.7)とマイナス幅を拡大した。来期の見通し(売上)については△25.5と今期を下回っている。
 釜石地域では、売上高△50.0(同△45.2)とマイナス幅を拡大したが、採算△45.5(同△51.4)、資金繰り△32.1(同△38.0)とマイナス幅を縮小した。来期の見通し(売上)については△58.4と今期を下回っている。
 宮古地域では、売上高△46.1(同△39.8)、採算△41.2(同△31.5)、資金繰り△34.5(同△30.6)といずれもマイナス幅を拡大した。来期の見通し(売上)については△46.5と今期を下回っている。
 久慈地域では、売上高△48.4(同△26.9)、採算△47.6(同△23.1)、資金繰り△27.0(△15.7)、といずれもマイナス幅を拡大した。来期の見通し(売上)については△56.5と今期を下回っている。
 二戸地域では、売上高△45.3(同△47.4)とマイナス幅を縮小したが、採算△47.3(同△42.1)、資金繰り△37.3(同△26.0)とマイナス幅を拡大した。来期の見通し(売上)については△56.8と今期を下回っている。

 
【広域生活圏別の景況】
広域生活圏別の景況

 

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