長島　洋之（ながしま　ひろゆき）様 ［株式会社千田精密工業　大槌工場工場長］ 昭和４３年生　　釜石市出身　勤続１０年 　 株式会社千田精密工業　会社概要 所在地 大槌町大槌第12地割３番地１柾内 TEL　0193(42)2880 FAX　0193(42)2885　 資本金 8,000万円 社　長 千田　伏二夫 従業員 ５１人 売上高 ７億円(平成９年１１月期) 設　立 昭和５８年１２月 事業内容 精密機械部品加工

　
若くして主要工場の工場長ですが、ご経歴は。
長島： 釜石市内の高校を卒業した後、勉強したことをいかすため、北上市にある精密機器の金型を製造する会社に入りました。１年半ほどたった昭和63年の秋、今の会社が釜石市に進出したと同時に入社しました。その後、昨年の10月まで釜石工場の工場長でしたが、11月、大槌工場が釜石工場を吸収合併したのにともない、大槌工場の工場長になりました。
　
工場が前沢町、大槌町にありますが、それぞれの特長などは。
長島： 前沢工場が当社発祥の地ですので、本社工場と呼んでいますが、ここでは中小型のマシニングセンター等によるフライス加工が主です。大槌工場は、大型マシニングセンターとΦ650までのNC旋盤を用いての加工、各種溶接等一貫した加工ができます。二工場に共通することは、いずれも高級素材の精密加工ということです。 　また、釜石工場は、従業員が若いのが特徴です。平均年齢は、ちょうど私と同じ29才です。この若い従業員がより高度な技術を身につけれるよう技能検定試験を受けさせていますが、単に受験させるだけではなく、そのための通信教育の費用を会社が負担するなどして応援しています。
　
沿岸部に工場を立地した理由は。
長島： 社長が話していることですが、ご承知のとおり前沢町を含めた内陸部は製造業が集積していますので、当社程度の規模の企業にはいい人材がなかなかきてもらえません。その点、沿岸部、特に釜石地区は新日鐵釜石があり、技術が蓄積し優秀な人材も相当おります。それと、当社の主要なお得意様に近いというもの大きな理由です。
　
最近、大槌工場を増築し、機械なども増設したそうですが。
長島： はい、受注量が急増してきたことや大槌町のご好意で条件のいい土地を確保できまたことで、去年の11月にそれまでの２倍ほどに拡張しました。土地は約1,500坪、工場建物は約700坪あります。この投資にあたっては、県はじめ関係の方々には一方ならぬお世話をいただきました。投資費用のうち3,000万円は、東京の投資育成会社から出資いただいた資金でまかないました。
　
隆々発展しておられますが、中長期的な展望なり抱負は。
長島： 今回、大槌工場にはストロークが２メートル以上のマシニングセンター等、大物の加工が可能な設備を導入しましたので、これを稼働してより大きなアルミチャンバーなど大物のの生産をすることです。そして、一日も早く今回の投資を回収し、この極めて厳しい景況に耐えうる体質をもった企業に成長したいものです。そのためには、ISO9000、さらにはISO14000も視野にいれていますが、投資育成会社の投資を受けるにあたって厳しい審査を受けましたので、分野は違いますがこの経験がISOの取得に際しては役立つものと思います。 　また、社長は現在、週のうち半分以上前沢町から通っており、心身ともに大変な思いをしていますので、私自身の問題ですが社長が安心してこの工場の方だけでも任せられるよう、もっと勉強し、成長しなければと思っています。