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特集●四半期(7〜9月期)景況調査結果

 

減速傾向強まる県内景況
さらに厳しさ増す来期見通し


 
 この調査は、県商工会連合会、県中小企業団体中央会、県内商工会議所及び商工会の協力のもとに実施したもので、回収サンプル数は、945企業である。業種別内訳は、鉱業・建設業120、製造業299、卸売業57、小売業313、運輸・サービス業156件となっている。
 7〜9月期の県内景況をみると、売上高(建設業では完工高)、採算(経常利益)資金繰りともにマイナス幅を拡大するなど、減速傾向が強まっている。
 また、来期(10〜12月期)の見通しについては、業種、地域により各指標の予測がバラツキがみられるものの、全体では先行き不透明感を反映しさらに減速傾向を強める見通しとなっている。

 

売上 減少傾向続く

 売上高(建設業では完工高)についてみると、全業種のDI値(前年同期比で増加と答えた企業割合から減少と答えた企業割合を減じた数値)は、△29.5(前期△19.2)とマイナス幅を拡大した。
 業種別にみると、鉱業・建設業△29.9(同△13.7)、製造業△20.5(同△5.2)、卸売業△24.6(同△14.0)と10ポイント以上大幅にマイナス幅を拡大し、運輸・サービス業△26.3(同△19.4)、小売業△40.5(同△36.2)でもマイナス幅を拡大した。
 来期の見通しについてみると、全業種では△32.4と今期を2.9ポイント下回っている。業種別では、製造業△20.3、卸売業△10.7と今期を上回ったのに対し、鉱業・建設業△45.2、小売業△43.8、運輸・サービス業△30.9といずれも今期を下回る予測をしており、特に鉱業・建設業の大幅な落ち込みが目立つ。

図1

 

仕入単価 上昇に転ずる

 商品・原材料仕入単価についてみると、についてみると、全業種のDI値(前年同期比で仕入単価が上昇と答えた企業割合から低下と答えた企業割合を減じた数値)は、△2.4(前期△11.3)と前期比マイナス幅を縮小した。
 業種別にみると、製造業△6.5(同△12.4)、鉱業・建設業△11.9(同△15.1)とマイナス幅を拡大したが、小売業9.0(同△5.5)、卸売業10.9(同1.8)、運輸・サービス業△16.4(同△22.2)といずれもマイナス幅を縮小した。
 一方、来期の見通しについてみると、全業種では△0.2と今期を2.2ポイント上回っている。業種別にみても、卸売業7.3、鉱業・建設業△12.2と今期を下回っているほかは、運輸・サービス業△11.9、製造業△2.6、小売業10.6、 と今期を上回っている。

図2

 

採算 さらに悪化傾向

 採算(経常利益)についてみると、全業種のDI値(前年同期比で増加と答えた企業割合から減少と答えた企業割合を減じた数値)は、△29.8(前期△25.2)とマイナス幅を拡大した。 業種別に見ると卸売業△17.5(同△26.8)とマイナス幅を縮小したが、 鉱業・建設業△31.9(同△17.9)、製造業△23.1(同△15.5)、小売業△36.9(同△34.9)、運輸・サービス業△31.2(同△30.4)と軒並みマイナス幅を拡大した。
来期の見通しについてみると、全業種では△32.7と今期を2.9ポイント下回っている。業種別では、運輸・サービス業△28.7と今期を上回ったほかは、鉱業・建設業△44.7、卸売業△23.2、製造業△23.8、小売業△40.3といずれも今期を下回っている。

図3

 

資金繰り 一層窮屈感強まる

 資金繰りについてみると、全業種のDI値(前年同期比で好転と答えた企業割合から悪化と答えた企業割合を減じた数値)は、△22.3(前期△17.7)と、マイナス幅を拡大した。
業種別にみると、鉱業・建設業△21.0(同△10.9)、卸売業△23.2(同△15.8)、運輸・サービス業△23.7(同△17.2)、小売業△27.5(同△24.5)、製造業△16.5(同△14.2)、とすべての業種でマイナス幅を拡大している。 来期の見通しについてみると、全業種では△24.7と今期を2.4ポイント下回っている。業種別では運輸・サービス業△19.6、卸売業△20.0と今期を上回ったが、鉱業・建設業△31.6、小売業△31.8、製造業△17.9といずれも今期を下回っている。

図4

 

問題は「需要停滞」と「大型店」

 企業の直面する経営上の問題点を業種別にみると、鉱業・建設業では、上位3項目は「官公需要の停滞」、「民間需要の停滞」、「単価の低下」の順となっており、以下「人件費の増加」と続いている。また、製造業では上位3項目は「需要の停滞」、「製品単価の低下」、「製品ニーズの変化への対応」の順であるが前期第1位だった「「製品単価の低下」と「需要の停滞」が再び入れ替わった。卸売業では、「需要の停滞」、「大型店の進出による競争の激化」、「販売単価の低下」の順となっている。小売業では、「大型店の進出による競争の激化」が前期同様第1位となり、以下「購買力の他地域への流出」、「需要の停滞」「消費者ニーズの変化への対応」と続いている。運輸・サービス業では、「需要の停滞」、「利用者ニーズの変化への対応」、「料金の低下」の順となっている。小売業を除く全業種で「需要の停滞」が問題点の第1位にあげられている点、鉱業・建設業での「官公需要の停滞」、小売業での「大型店の進出による競争激化」が圧倒的多数で第1位にあげられている点が特徴的である。小売業を除く全業種で「需要の停滞」が問題点の第1位にあげられている点、鉱業・建設業での「官公需要の停滞」、小売業での「大型店の進出による競争激化」が圧倒的多数で第1位にあげられている点が特徴的である。

 

売上高 すべての地域で悪化

 本調査を県内9広域生活圏別に概観すると次のとおりである。
売上高については、すべての地域で軒並み前期を下回った。採算(経常利益)については、気仙、都地域が前期を上回ったほかはいずれも前期を下回った。資金繰りについては、気仙地域を除いて一段と窮屈感が強まった。また、来期の見通し(売上高)については、二戸、宮古、釜石地域で今期並みもしくは上回っているほかはいずれも今期を下回ると予想している。
 地域別にみると、盛岡地域では、売上高△24.5(前期△12.6)、採算△29.9(同△27.6)、資金繰り△26.6(同△20.5)といずれもマイナス幅を拡大した。来期の見通しについは△25.8と今期を下回っている。
 岩手中部地域では、売上高△16.4(同△6.4)、採算△19.0(同△9.4)資金繰り△12.5(同△4.3)といずれもマイナス幅を拡大した。来期の見通しについては△19.3と今期を下回っている。
 胆江地域では、売上高△23.5(同△21.7)、採算△28.4(同△25.0)、資金繰り△20.6(同△14.8)といずれもマイナス幅を拡大した。来期の見通しについては△37.8と今期を大幅に下回っている。
 両磐地域では、売上高△45.3(同△25.7)、採算△39.5(同△27.4)、資金繰り△23.0(同△15.5)といずれもマイナス幅を拡大した。来期の見通しについては△49.4と今期を下回っている。
 気仙地域では、売上高△12.5(同△6.7)とマイナス幅を拡大したが、採算△10.2(同△18.0)、資金繰り△5.7(同△15.7)とマイナス幅を縮小した。来期の見通しについては△17.2と今期を下回っている。
 釜石地域では、売上高△45.2(同△40.3)、採算△51.4(同△50.0)、資金繰り△38.0(同△36.0)といずれも前期よりマイナス幅を拡大した。来期の見通しについては△45.1と今期並と予測している。
 宮古地域では、売上高△39.8(同△31.3)、資金繰り△30.6(同△26.5)とマイナス幅を拡大したが、採算△31.5(同△33.3)とマイナス幅を縮小した。来期の見通しについては△34.2と今期を上回っている。
 久慈地域では、売上高△26.9(同△13.7)、採算△23.1(同△11.5)、資金繰り△15.7(△7.7)、といずれもマイナス幅を拡大した。来期の見通しについては△33.3と今期を下回っている。
 二戸地域では、売上高△47.4(同△28.9)、採算△42.1(同△27.6)、資金繰り△26.0(同△19.7)といずれもはマイナス幅を拡大した。来期の見通しについては△42.9と今期を上回っている。
 

【広域生活圏別の景況】 971105.gif (1519110 バイト)

 

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