
千葉 重男 (ちば しげお)様
[株式会社マルイ 取締役]
昭和19年生 九戸村出身 勤続30年
株式会社マルイ会社概要 |
所在地 |
二戸市石切所字大淵1−1 |
TEL (0195)23-4522 |
FAX (0195)23-6624 |
資本金 |
1,000万円 |
社 長 |
千葉 忠一 |
従業員 |
35人 |
売上高 |
6億1千万円(平成9年5月期) |
設 立 |
昭和45年6月 |
事業内容 |
家具販売、レストラン経営他 |
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貴社は現会長が戦後間もなく創業したんですね。
千葉:
はい、戦前東京育英工芸学校の教師として勤務した後、九戸村に帰り昭和21年5月に千葉木工所として家具などの製造を細々と始めました。昭和30年代の後半からは兄と私も少しずつ手伝うようになりました。父は91才ですが、頑健ですので、工場で年中その時期その時期の仕事をしています。
景況はなななか厳しいものがありま すが、この業界の動向は。
千葉:
取り扱っている製品の特性、つまり高級な耐久消費財ということから、おのずと顧客が限定されており、景況に売上が左右されることはない業界です。いわゆるバブル景気華やかな頃も売上げが大きく伸びたわけでもないですし、現在のパっとしない景気の中でも落ち込むことがありません。要は、それぞれの企業が経営理念に自信をもって、お客様に気に入られるものを作ることが大事だと思います。しかし、完璧な製品にするため木地の原木は最低でも10年はねかせますので、多額の運転資金を要します。これは私どものような業態、業種で共通で、どこでも同じ悩みとしてあるのではないでしょうか。
貴社の製品は色々な賞を受けておられますね。
千葉:
九戸村とその近隣の町村ならではの特徴をいかし、具体的には原木はけやき、せん、たもの木などをつかい、浄法寺の漆も多用していますし、金具にも当社ならではの技術を駆使しています。そして、もちろん一貫生産ですので、そんな点が評価されてのものかと思います。お陰様で各種の賞を受けていますが、その中でも昭和63年に受けた全国中小企業見本市での「中小企業庁長官賞」が一番嬉しかったです。
販売会社マルイとメーカーとしての 関連会社潟}ルイ造形家具工業を含めた経営計画などは。
千葉:
製品の「造形性」を最重要視して、時間はかかるでしょうが、「北欧レベル」の製品化を目標にしていきます。この実現のため、一社ではなかなか難しいので、近隣町村の関連する業者の方々と一緒に、中小企業団体中央会さんの指導を受けて協同組合ジャパンアートイワテを設立しました。現在は来年秋の操業に向け、準備を進めているところです。この組合の経営理念は、林業、芸術、工業の融合です。融合を可能にするのが「情報」と「情報化」です。
経済面でやや立ち遅れてる地域にあって、マルイの役割は。
千葉:
ジャパンアートイワテも県北部の総体的な経済レベルの底上げを大きな目的の一つにしていますし、さらにはカシオペアネットという名称でインターネットのプロバイダーも始めました。このネットワークは地域密着型を指向し、主に岩手県と青森県を対象にしています。
インターネットに限らず、「情報」と「情報化」は、地域格差の是正の強力な一手段ですので、この分野にもっと力を入れていき、その結果この地域の発展に貢献できればと考えています。

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