薄衣 恒雄 (うすぎ つねお)様
[株式会社薄衣電解工業 代表取締役副社長]
昭和23年生 神奈川県出身 勤続27年
株式会社薄衣電解工業会社概要 |
所在地 |
北上市北上工業団地1−10 |
TEL 0197(66)6161 |
FAX 0197(66)5555 |
資本金 |
5,000万円 |
社 長 |
薄衣 敏則 |
従業員 |
114人 |
売上高 |
9億7千万円(平成9年4月期) |
設 立 |
昭和35年5月 |
事業内容 |
電気めっき業 |
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本県に進出されたのは昭和60年9月 ですが進出の理由なり経緯は。
薄衣: ここで操業を開始してちょうど12年になりますが、特別のことがあったわけではなく、あえて言えばリスクの分散でしょうか。さらには、私もまだ若かったので、何かにチャレンジしたいと考えたのが始まりです。12年のうち約半分はなかなか採算にものらず苦労しましたし、その間、川崎工場には負担をかけてしまいました。
ISO9000とかIS014000の必要性が言われる昨今ですが。
薄衣:
公表していませんが、すでに半導体の工程ではIS09000の資格を取得しています。ゆくゆくは工場全体として取得することを計画していますが、単に取得するだけならコンサルタントの指導を受ければ早いでしょう。しかし、取得のため全社員が一丸となって努力する過程で何かを得ることが大事であり、社内に蓄積される財産も多いと思いますので、現在は当社の人材で実現に向けて取り組んでいます。
めっき業界の動向、将来展望は。
薄衣:
業界新聞などから判断しますと、年々同業者数は減少しています。反面、業界全体の市場規模は大きくなり、業容が大きいものと小さいものに二極分化してきているのが現状です。典型的な受注産業なるがゆえの需要の不安定性、初期投資が膨大なことなど、リスクが大きく新規参入は期待できません。したがって、これらの傾向は今後も続くと思います。そんな中にあって、この業界は「省エネ産業」的な側面をもっている点などからして、有望な業界だと考えています。とはいえ、めっきへのニーズは多様化していますので、より高度な技術を実現し高付加価値の製品とするための不断の厳しい努力を求められるようになるでしょう。
貴社の経営理念は。
薄衣:
人を信じ人を育て、その結果、社会の一構成員としての役割を果たすことに尽きます。そのためには「企業は人を育てるための機関である」に徹しています。その実践例ですが、ひと月の勤務時間数だけを決め、出勤と退勤時刻は従業員に任せたところ、前より早い時刻に出勤する者が増えました。
北上工場の将来計画、抱負などは。
薄衣:
先ほど申しあげたような業界事情ですので、二極分化の大きい方になり、具体的には5年以内に売上を現在の2倍にしたいと計画しています。それと同時に、難しいことですが従業員の教育を怠らず、「自らの判断で行動できる人間」を育て上げる体制作りをしていきたいと考えています。
中央から進出した企業としての県内企業に対する印象は
薄衣:
企業経営者は色んなことに旺盛な好奇心をもち、ものの見方として視野を広げるべきだと思います。有用な情報がスムーズに入ってくるように鋭敏なアンテナを張ることが必要ではないでしょうか。そういう社長が経営する企業は元気がいいんですよね。
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