工藤 隆成(くどう たかしげ)様
[株式会社わしの尾 常務取締役]
昭和35年生 西根町出身 勤続13年
株式会社わしの尾 会社概要 |
住所 |
岩手郡西根町大更第22地割158番地 |
TEL 0195-76-3211 |
FAX 0195-76-3212 |
社 長 |
工藤 隆一 |
資本金 |
2,000万円 |
従業員 |
10名 |
売上高 |
2億9,700万円(平成8年6月期) |
設 立 |
昭和52年9月 |
事業内容 |
酒造業 |
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業歴は古いですが、常務のお兄さんである社長は何代目ですか。
工藤:
兄で7代目です。書き物として残っているのは文政12年ですから、今から170年ほど前です。しかし、現在も使用している工場の一部は、約300年前の建物ですので実際にはその頃から酒造りをしていたようです。
去年大きな製麹装置を導入されたんですね。
工藤:
麹の製造は杜氏さんの力に負うところが大きいのですが、杜氏さんが高齢化しています。そのため、麹製造のデータを蓄積して将来は杜氏さんに頼らなくてもいいようにこの装置を入れました。それと杜氏さんを補佐する高校の新卒者2人を採用しました。年間の繁閑差が大きいこの業界では大変なことですが、社長の大英断でした。
現在の生産可能な石数はどのくらいですか。
工藤:
全体の生産設備からみていいところ年間1,500石から2,000石程度です。細心の注意をはらい、お客様に喜んでいただける最高の清酒を造るためには最適な規模かなと思っています。
鷲の尾でなければというお客様が結構おられると聞いていますが。
工藤:
はい、お陰様で県内はもちろん全国にそのようなお客様がおられます。その数は500人くらいで、皆さんがこの西根町もしくは岩手県に縁のある方のようです。そういうお客様がおられるということは造り酒屋冥利に尽きます。
一般的には小規模な地酒のメーカーの経営環境は厳しいと思いますが。
工藤: そのとおりです。県内には30近い造り酒屋がありますが、清酒の需要が微減傾向にあることや酒のディスカウンターの増加などで一部を除いては苦戦を強いられていると思います。しかし殆どの造り酒屋では、私どものように、「そこで造った酒しか飲まない」というお客様に支えられて頑張っているのが現状ではないでしょうか。
会社の経営理念などは。
工藤:
大それた経営理念はありません。再三申し上げるとおり、私どもの酒を飲んでいただいているお客様のためにも、伝統の味を守り、これまで何かと助けられてきた地元に貢献できる地元密着型企業であることがモットーです。
中長期的な展望、経営戦略、さらには抱負などは。
工藤:
先ほどの経営環境の厳しさへの対応とただ今お話しした経営理念を実現することです。生産能力には自ずと限界がありますので、高付加価値な酒造りを目指したいと考えています。具体的には、実際去年から始めていますが西根の米を原料とした純米酒などの生産をもっと増やしていきたいです。
お忙しいでしょうが、趣味などは。
工藤:
いろんなことを手がけましたが、全部中途半端で終わっています。強いてあげれば、最近では「パソコンいじり」でしょうか。インターネットに当社のホームページを開設しようかなどと考えている最中です。
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