緩やかな回復がみられる県内景況

１２月の実績調査結果（全業種）
　
　業界全体をみると、建設業、卸売業で指標が下向いたものの、製造業の生産が前年を上回り、小売業の指標が上向くなど、緩やかながら回復の動きがみられる。
　生産・売上が前年同月に比べて増加したとするところは、調査票回収1,002企業（有効回収率60.7％）中、22.5％と前月調査の21.1％を 1.4ポイント上回った。また、減少企業比率も31.4％と前月調査の31.9％を0.5ポイント下回ったことから、指標は上向いた。 　
　また、収益も増加企業比率が15.7％と前月調査の13.8％を1.9ポイント上回った。一方、減少企業比率は35.0％と前月調査の34.8％を0.2ポイント上回った。その結果、指標はここでも上向いた。
　なお、生産・売上、収益とも指標は上向きとなったものの、前年比較では下回っている。
　資金繰りは好転8.8％（前月調査7.4％）、悪化23.8％（同26.0％）となっている。
　1〜3月期の予測についてみると、生産・売上が前年同期を上回るとみているところは13.7％と当月実績を8.8ポイント下回っている。また、減少予測企業比率も33.7％と当月実績を2.3ポイント上回っていることから、予測通りならば指標は下向くことになる。
　一方、収益予測は増加9.0％（当月実績比6.7ポイント低下）、減少38.4％（同3.4ポイント上昇）とここでも指標は下向くことになる。
資金繰り予測は好転5.3％（同3.5ポイント低下）、悪化28.8％（同5.0ポイント上昇）（12〜2月期予測比2.7ポイント上昇）となっている。
　このように、先行き見通しについては、総じて悪化を懸念する向きが多い。

1. ＤＩとは、増加（好転）企業割合から減少（悪化）企業割合を減らした数値である。（増減は前年同月比）
2. １２月までは実績値で１２〜２月、１〜３月は予測値である。
3. 調査時点は原則として各月現在であり、予測値は翌月以降３ヵ月間の見通し結果を集計したものである。
4. 業況に対する総合判断は、各企業が同種産業の業況の状態を判断した結果である。

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【県内の経営動向調査　意見欄より（１２月分）】
●価格破壊の影響により加工賃の値下げが続き、現状では採算が厳しい状況です。工賃の上昇がない限り、週４０時間実施は困難と思われます。（縫製業）
●需要は幾分回復傾向であるが、競争激化は継続しており、収益確保に一層工夫が必要。（印刷業）
●稼働率は平均的に良いが、収益面で減。来年は全て不透明である。（金属製品製造業）
●特石法の廃止、石油製品価格の国際化に伴う新仕切価格体系への移行、大手スーパー等の異業種参入などで競争が激化。（ガソリンスタンド）