２０年余り前から公私ともに現社長と二人三脚ですが、役割分担は。
北舘：規模が小さかった最初の頃は、その時しなければならないことを何でも手あたり次第していました。現在はいろんな面で体制が整ってきましたので、社長は経営の重要な部分と新規のお客さまの開拓を、私は商品企画と人事管理を主に担当しています。
　
この２０年間、会社は確実に成長してきましたね。
北舘：社長が信念をもって「麺づくり」に頑張ってきた20年間だったと思います。その結果、従業員も増え、生産量も少しずつ大きくなってきました。3年半前に現在の工場を新築し最新鋭の生産設備を導入しましたが、この時には県や公社さんにお世話になりました。お客様や関係機関、そして従業員に支えられここまで成長してきましたが、今後もこのご縁は大切にしていかなければと社長と話し合っています。
　
今や原料の蕎麦まで自家製ですね。
北舘：はい、先ほど申し上げたとおり社長の信念を貫こうとすればどうしても「最良の原料」は欠かせませんので、別法人ですが昭和63年から農場も経営しています。現在は約130ヘクタールで栽培し自給率は４割余りですが、ゆくゆくは300ヘクタールほどを確保し、全部自給できればと思ってます。 　原料だけでなく生産設備でも、デンマーク製の通風乾燥機やスイス製のそば粉挽き石臼、それと社長が考案した半生麺製造装置などを導入しています。
　
会社の経営理念などは。
北舘：一つめはお客さまの発展に寄与し、食文化に貢献すること、二つめは社員の幸せを追求し、当社の成長を図ること、三つめは地域社会に奉仕することです。「『そば』事業」という現社長が勝手に作った言葉があるんですが、この三つの経営理念は、いずれも『そば』事業をとおして実現していくことが目標です。地元の方々に協力いただいて，手打ちそばの体験教室を設けていますが、たくさんの人たちにお出でいただいています。これにより、手作りの良さ，昔ながらの手打ちそばの美味しさを楽しみながら知っていただき，更に消費の拡大につなげていければと想っています。
　
息子さんも一緒に働いているそうで、　後継者問題は心配ありませんね。
北舘：小さい頃から息子には自分の好きな道に進んでいいと話していたんですが、５年ほど前に帰ってきました。現在は営業を担当しています。後継者とのことですが、本人は全然意識していませんし、社員の中からということもありますし‥‥。無理のないよう見守っていきたいと考えています。
　
ますます発展されることと思いますが、抱負などは。
北舘：第２２期の経営目標に「企業は人である」を掲げ，意識の高揚や能力の向上を重点的に押し進めています。それと、現在も既に行っていますが，経営内容の公開や賃金体系をより平等にするなどして，若い人が入社したくなる様な会社を目指し頑張っています。