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特集●冬季賞与支給予定額調査結果

 

冬のボーナス支給予定額
前年比0.3%増

● 支給月額 1.75ヵ月 ● 支給額 333,674円


 当産業情報センターが11月5日現在でまとめた県内各企業のこの冬のボーナス支給予定額によれば、加重平均で、男子が390,948円(回答企業の対前年比0.8%増)、女子が234,792円(同1.6%減)、男女平均では、333,674円(同0.3%増)となり、県内企業は、景気が緩やかな回復基調にあるといわれるなか、94年冬以来のプラスの伸び率となった。  ただし、この中にはボーナスを支給しない企業が9社(2.0%)含まれているので、これを除いた支給予定企業だけの平均でみると男子が392,830円(同1.4%増)、女子が243,666円(同4.1%増)、男女平均では、339,234円(同2.1%増)となっている。

この調査は、当産業情報センターが毎月実施している経営動向調査の対象企業62業種1650企業に対し10月5日から11月5日にかけて調査を実施したもので、調査票を回収したサンプル489企業のうち、従業員のいない企業、支給額が未定の企業、記載不備のものを除いた442企業分を集計したものである。

 

2年ぶりのプラスの伸び率

この冬のボーナス支給予定額の総平均については、表1の通りであるが、この中にはボーナスを支給しない企業も9社(有効回答中2.0%)含まれている。そこで、この分を除いた支給予定企業だけの平均をみると、男子が392,830円(回答企業の対前年比1.4%増)、女子が243,666円(同4.1%増)、男女平均では、339,234円(同2.1%増)、となり、支給額は総平均に比べてそれぞれ1,882円、8,874円、5,560円、多くなっている。  平均基本給に対する支給月数についてみると、総平均で男子が平均基本給213,574円(平均年齢39.5才、平均勤続年数12.2年)の1.83ヵ月、女子が同 149,875円(同38.4才、同9.6年)の 1.57ヵ月、男女平均では同190,210円(同39.1才、同11.3年)の1.75ヵ月となっている。支給月数は、女子を除いては前年同期をわずかに上回っている。  過去のボーナス支給額の伸び率は、94年夏0.8%、94年冬1.9%、95年夏△8.0%、95年冬△3.1%、96夏△0.3%となっており、県内企業は、景気が緩やかな回復基調にあるといわれるなか、94年冬以来のプラスの伸び率となった。

 

小売業が41万円でトップ

 業種別の支給予定額(男女平均)は、小売業の418,229円をトップに、卸売業413,255円、非金属鉱業412,537円が40万円台で、以下建設業378,844円、製造業299,101円、サービス業246,590円、運輸業219,449円の順となっている。また、男女別にみると、男子では小売業の486,362円がトップで、以下卸売業 462,880円、非金属鉱業427,099円、建設業398,138円となっている。女子では小売業の320,468円が唯一の30万円台でトップ、以下卸売業293,862円、非金属鉱業270,800円、建設業260,369円となっている。   次に、各業種の支給予定額を前年同期の実績と比べてみると、小売業が 1.9%、建設業が1.3%、サービス業が1.2%と微増ではあるが前年を上回る伸び率となったが、非金属鉱業、運輸業、製造業、卸売業はそれぞれ△4.5%、△0.8%、△0.7 %、△0.7%と前年実績を下回っており、特に非金属鉱業での落ち込みが目に付く。  つづいて各業種の業種別内訳でみると、建設業では、建設が9.3%とトップの伸び率となっており、以下、土木、設備の順となっている。製造業では、メリヤス42.9%(サンプル数3件)、パン・生菓子が32.5%(同4件)と高い伸び率を示し、反面、縫製が△55.8%、豆腐・油揚が△9.8%とそれぞれマイナスの伸び率となっている。卸売業では、青果市場の3.7%をトップに、家電、衣料がプラスの伸び率を示したが、前年においてプラスの伸び率を示した生鮮市場はマイナスに転じた。小売業では、医薬品・化粧品が38.9%(サンプル数3件)と高い伸び率となっているのに対し、食料品が△40.7%、時計・カメラが△29.4%とマイナスの伸び率を示している。運輸業では、タクシー△0.7%、道路貨物△0.6%といずれもマイナスの伸び率となっている。サービス業では、全般的に高い伸び率を示し、特に、食堂の13.3%(サンプル数3件)、観光旅館の4.5%が目立ったが、前年トップの自動車整備はマイナスに転じた。  支給額、支給月数、伸び率を総合して業種別にみると、小売業、卸売業、建設業が比較的好調で、運輸業、製造業が不調である。

 

表1 冬季ボーナス支給状況(単位:円 %)
区分
企業数 平均年齢 勤続年数 平均基本給 ボーナス支給額 支給月数 前年比 企業数 平均年齢 勤続年数 平均基本給 ボーナス支給額 支給月数 前年比
総平均 414 39.5 12.2 213,574 390,948 1.83 100.8 420 38.4 9.6 149,875 234,792 1.57 98.4
非金属鉱業 8 44.5 18.8 268,966 427,099 1.59 95.9 8 38.0 15.3 176,121 270,800 1.54 94.6
建設業 57 42.6 12.6 245,499 398,138 1.62 101.9 53 37.6 9.2 164,494 260,369 1.58 96.5
製造業 175 39.5 12.3 208.013 379,990 1.83 101.2 41.2 41.2 10.2 142,844 203,321 1.42 95.6
卸売業 37 38.5 13.9 227,161 462,880 2.04 99.6 38 34.9 10.0 162,501 293,862 1.81 98.6
小売業 87 35.8 11.8 220,927 486,362 2.20 100.8 99 32.1 8.4 166,242 320,468 1.93 103.7
運輸業 19 41.7 9.7 154,800 221,542 1.43 99.5 17 36.1 5.9 132,429 189,790 1.43 95.9
サービス業 31 37.4 10.7 200,566 310,763 1.55 101.1 33 36.8 6.8 139,322 163,725 1.18 99.2

 

区分 平均
企業数 平均年齢 勤続年数 平均基本給 ボーナス支給額 支給月数 前年比
総平均 442 39.1 11.3 190,210 333,674 1.75 100.3
非金属鉱業 8 43.9 18.4 260,316 412,537 1.58 95.5
建設業 57 41.9 12.1 234,155 378,844 1.62 101.3
製造業 180 40.3 11.4 178,175 299,101 1.68 99.3
卸売業 39 37.5 12.7 208,176 413,255 1.99 99.3
小売業 105 34.3 10.4 198,467 418,229 2.11 101.9
運輸業 19 41.4 9.5 153,325 219,449 1.43 99.2
サービス業 34 37.1 9.0 173,837 246,590 1.42 101.2

 

県内企業30万円台までが7割

表2は、支給額の分布状況をみたものである。支給額を10万円単位でみてみると、10万円台と回答した企業が26.3%でトップとなっており、次いで20万円台の22.9%、30万円台の20.6%の順になっている。このことから、県内の約7割の企業が10万円以上30万円台の支給額となっていることがわかる。しかし、支給額が10万円未満の企業32社(7.2%)、あるいは50万円以上と回答した企業も40社(9.0%)あり、支給額は各段階に広く分布しており、業種間における格差に加え、企業間における格差も広がっていることが推測される。

 

表2 支給分布状況 (単位:件数 %)
金額 ゼロ 10万円未満 10万円以上 15万円以上 20万円以上 25万円以上 30万円以上 40万円以上 50万円以上
件数 9 32 60 56 49 52 91 53 40
構成比 2.0 7.2 13.6 12.7 11.1 11.8 20.6 12.0 9.0

 

広く分布する支給時期

表3は、支給時期をみたものである。全体では、12月16日〜20日に支給する企業が24.7%で最も多く、次いで26日〜31日の21.7%、6日〜10日の18.6%の順となっているが、例年同様に16日以降に支給する企業は全体の64.5%となっている。また、サービス業、運輸業、製造業では、1月以降支給する企業も一部にあり、全体の0.9%を占めている。  業種別に支給時期をみると、非金属鉱業、建設業では,16日以降と回答した企業が8割以上を占めている。そのほか製造業、卸売業、小売業、運輸業、サービス業は12月の全体に分布している。

 

表3 支給時期 [単位:%]
区分 11月以前 12月1〜5日 12月6〜10日 12月11〜15日 12月16〜20日 12月21〜25日 12月26〜31日 1月以降 未定
非金属鉱業 0.0 0.0 12.5 0.0 37.5 0.0 50.0 0.0 0.0
建設 0.0 1.8 8.8 7.0 14.0 24.6 42.1 0.0 1.8
製造 1.1 1.7 21.7 14.4 23.9 17.2 17.8 0.6 1.7
卸売 0.0 2.6 28.2 20.5 23.1 15.4 10.3 0.0 0.0
小売 0.0 4.8 15.2 9.5 31.4 18.1 17.1 0.0 3.8
運輸 0.0 0.0 15.8 26.3 21.1 5.3 26.3 5.3 0.0
サービス 0.0 0.0 20.6 5.9 26.5 14.7 26.5 5.9 0.0
0.5 2.3 18.6 12.4 24.7 17.2 21.7 0.9 1.8


支給財源 内部積立が主体

表4は、ボーナスの支給財源を業種別と従業員規模別にみたものである。  全体では内部積立57.0%、借入25.8%、本社調達7.7%、その他9.4%の構成割合で前年同様の傾向をみせている。  業種別に支給財源をみると、財源を内部積立によるとする割合が高いのが非金属鉱業で7割、次いで小売業、卸売業の順となっている。一方、財源を借入によるとする割合が高いのは運輸業、建設業、製造業、サービス業の順となっており、特に運輸業は5割強の企業が支給財源を借入としている。また、財源をすべて内部積立とする比率でみると、小売業、卸売業で高く、すべて借入とする企業の比率では、運輸業、建設業、製造業の順となっており、全体的には例年と同様の割合となっている。  次に、従業員規模別の支給財源をみると、内部積立とする企業の割合は従業員規模が大きくなるほど低くなり、逆に借入金は高くなるという相関関係が例年同様みられる。

 

表4 支給財源 [業種別]
区分 内部積立 借入 本社調達 その他 内部積立が
百%の企業比率
借  入が
百%の企業比率
非金属鉱業 70.0 16.3 2.5 11.3 50.0 12.5
建設 45.6 32.9 12.7 8.7 34.5 23.6
製造 52.3 28.8 9.3 9.7 42.1 20.2
卸売 63.4 21.8 5.3 9.5 60.5 15.8
小売 69.8 14.3 6.1 9.8 61.6 7.1
運輸 41.6 54.7 3.2 0.5 31.6 31.6
サービス 61.8 23.0 3.0 12.1 12.1 12.1
57.0 25.8 7.7 9.4 17.0 17.0

 

表4 支給財源 [従業員規模別](単純平均 単位:%)
区分 内部積立 借入 本社調達 その他 内部積立が
百%の企業比率
借  入が
百%の企業比率
1〜5人 67.9 9.9 8.6 13.6 63.0 4.9
6〜10人 71.4 10.0 5.2 13.4 67.2 3.4
11〜20人 59.3 22.7 3.7 14.3 49.4 14.8
21〜30人 56.6 31.6 6.7 5.0 41.3 21.7
31〜50人 46.5 38.1 8.1 7.3 33.9 25.8
51〜100人 45.6 38.7 11.1 4.6 38.1 27.0
101人以上 44.2 41.9 13.3 0.5 33.3 30.8
57.0 25.8 7.7 9.4 48.1 17.0


支給予定額 盛岡地域がトップ

表5は、広域生活圏別にボーナス支給予定額をみたものである。男女平均では盛岡地域の429,289円が唯一40万円でトップとなり、岩手中部地域367,980円、気仙地域364,683円の順で30万円台、他地域は20万円台の支給予定となっている。これを表には表していないが男女別にみると、男子では盛岡地域の471,833円が最も高く、続く気仙地域が447,715円で40万円台となっている。女子でも盛岡地域の334,000円が唯一 30万円台で最も高く、以下岩手中部地域、両磐地域、宮古地域の順となっている。  各地域の支給予定額を製造業と非製造業の別でみると、製造業では気仙地域の446,925円が40万円台で最高となっており、以下、岩手中部地域、盛岡地域、宮古地域、胆江地域が30万円台で続いている。非製造業では盛岡地域の458,046円で40万円台、続く30万円台が岩手中部地域の310,412円だけとなっており、他地域は釜石、二戸地域を除き20万円台で並んでいる。 男女別、製造業非製造業別においても工業集積度の高い県南、県央部地域が上位を占め、反面、県北、沿岸部が下位に位置し例年と同様の結果となっている。   次に、各地域の支給予定額を回答企業の前年同期の実績と比べてみると、両磐地域が3.7%の伸び率を示し、以下、岩手中部地域3.5%、釜石地域3.2%の順となっているが、逆に前年大幅な伸びを示した胆江地域が△8.4%、二戸地域が△1.0%、久慈地域が△0.5%と前年実績を下回っている。下回った3地域のうち、胆江地域で製造業の落ち込み、二戸地域で非製造業の落ち込みが目につく。

 

表5 広域圏別支給状況(単位:円 %)
区分 平均
企業数 平均年齢 勤続年数 平均基本給 ボーナス支給額 支給月数 前年比
盛岡 製造 47 39.5 11.2 207,022 376,687 1.82 100.5
非製造 56 35.3 11.7 204,001 458,046 2.26 99.8
合計 103 36.8 11.5 204,422 429,289 2.10 100.3
岩手中部 製造 39 39.8 12.9 199,829 388,932 1.95 104.4
非製造 27 35.4 8.4 185,951 310,412 1.67 100.1
合計 66 38.6 11.7 196,126 367,980 1.88 103.5
胆江 製造 35 39.5 11.7 195,805 309,548 1.58 85.0
非製造 24 39.1 9.9 160,249 230,495 1.44 115.2
合計 59 39.4 11.1 183,192 281,506 1.54 91.6
両磐 製造 28 40.0 12.1 176,085 281,368 1.60 103.7
非製造 15 40.5 11.5 183,075 283,747 1.55 103.9
合計 43 40.1 12.0 177,268 281,771 1.59 103.7
気仙 製造 20 41.3 12.3 209,074 446,925 2.14 105.2
非製造 23 38.5 8.6 157,992 209,597 1.33 96.6
合計 43 40.3 11.0 191,372 364,683 1.91 102.6
釜石 製造 27 41.6 11.4 179,936 234,299 1.30 103.9
非製造 21 40.7 10.5 159,772 164,528 1.03 98.9
合計 48 41.5 11.3 176,653 222,940 1.26 103.2
宮古 製造 22 43.6 14.9 197,634 309,986 1.57 104.1
非製造 14 36.0 7.8 184,512 264,941 1.44 98.5
合計 36 41.4 12.8 198,847 296,984 1.53 102.8
久慈 製造 14 42.2 9.6 189,141 192,666 1.02 100.5
非製造 11 38.1 9.0 181,026 281,449 1.55 100.1
合計 25 40.8 9.4 186,335 223,366 1.20 99.5
二戸 製造 13 42.3 9.2 160,409 219,824 1.37 99.0
非製造 6 33.8 4.8 179,863 180,179 1.00 98.1
合計 19 41.5 8.8 162,157 216,263 1.33 99.0

 

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