葛西　清彦（かさいきよひこ)様 [東北和田工業株式会社　常務取締役] 昭和２１年生　　千葉県出身　　勤続２３年 　 東北和田工業（株）会社概要 所在地 山田町石峠３−１７−４ TEL 0193-86-3211 FAX 0193-86-3214 社　長 相馬義久 資本金 3,500万円 従業員 ９５人 売上高 32億2,400万円（平成８年５月期） 設　立 昭和５６年１１月 営業品目 金型製作、プレス加工 電子部品組立治具開発

　
必ずしも立地条件がよくない山田町での創業はどういう経緯からですか。
葛西：　昭和55年頃移転を計画し、まず福島県内を探したんですが、地価が高過ぎたためあきらめ、秋田県と岩手県に的を絞って物色しました。ここに決めたのは、宮古市に立地していた取引先の東北ヒロセ電機の社長さんと当社の社長が懇意にしていたこと、賃金が比較的低いこと、それに何よりも地元の方々の熱意が大きかったことです。
相馬社長さんは横浜にお住まいですね。葛西常務さんとの役割分担は。
葛西：　社長以下役員が集まっての経営者会議が毎月１回ここでありますので、その時は必ず来ます。現在は、経営の殆どの部分を私が任されていまして、社長には高額の設備投資のように相当重要な案件の場合にだけ相談します。
貴社のグループ企業の状況は。
葛西：　横浜市にある本体の和田工業を中心に、当社のほか９年前に宮古市で創業し成形加工、電子部品組立を主体にする（株）ミヤコムと山形市にはコネクターの自動組立機や画像検査装置を製造する（有）オートメーション山形があります。それと、今年の11月にはマレーシアに現地法人を設立し、コネクターのプレスを主体として操業を開始します。このため、当地での生産量が減少することを懸念したのですが、現地で世界各国からの需要が十分あり、これは杞憂に終わりそうです。
業績が確実に伸張していますが、これに関連して将来展望、夢などは。
葛西：　グループ企業全体で西暦2000年までに売上を100億円、経常利益も５％は確保し、同時に二部上場ができればと思っています。100億円を達成するためには毎年対前年比で10％以上伸ばす必要がありますが、この業界も当社も追い風を受けていますので頑張りたいと思います。また、夢のような話ですが、月産のロットが３万個程度の超量産ものを、無人で生産できる工場ができないかなと考えています。円高や工業化が進んでいる海外企業との競争も全く気にしないで経営ができますから。
技術力が相当に高いと聞いていますが、従業員の方の教育・研修などは。
葛西：　技術的なものはＯＪＴによるものが主体ですが、公社さんの商工研修センターの研修も積極的に受けさせるようにしています。また、コネクターアッセンブリー部門は以前から取得していましたが、発注企業の協力と要請もありこれに加えて今年の７月にはプレス、モールド成形のＩＳＯ9002を取得しました。この取得の過程では生産業務を中心に総合的に点検しましたが、最高のＯＪＴになりました。
ミヤコムの専務さんでもあり、多忙のようですが、どんな息抜きを。
葛西：　時代遅れと笑われそうですが、何やかやで、やむを得ず仕事が趣味になっていますので、たまの休みに家族で夕食の買いだしに行くことくらいが息抜きです。海産物が新鮮で美味しく、ここに住んでよかったと思ってます。