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特集●夏季賞与支給予定額調査結果
 

夏のボーナス支給予定額
前年比0.3%減

● 支給月額 1.60ヵ月 ● 支給額 295,897円


 当産業情報センターが6月5日現在でまとめた県内各企業のこの夏のボーナス支給予定額によれば、加重平均で男子が337,854円(回答企業の対前年比0.3%減)、女子が208,966円(同0.4%増)、男女平均では295,897円(同0.3%減)となり、景気が緩やかな回復基調にある中、調査以来最低の伸び率となった前年調査(8.0%減)を上回ったが、前年に引き続きマイナスの伸び率となった。
 ただし、この中にはボーナスを支給しない企業が13社(3.P%)含まれているので、これを除いた支給予定企業だけの平均でみると男子が344,017円(同0.7%増)、女子が223,917円(同4.6%増)、男女平均では306,254円(同1.5%増)となっている。
 

 この調査は、当産業情報センターが毎月実施している経営動向調査の対象企業62業種1,650企業に対し5月2日から6月5日にかけて調査を実施したもので、調査票を回収したサンプル486企業のうち、従業員のいない企業、支給額が未定の企業、記載不備のものを除いた432企業分を集計したものである。

 

伸び率 マイナス幅減少

 この夏のボーナス支給予定額の総平均については、表1の通りであるが、この中にはボーナスを支給しない企業も13社(有効回答中3.0%)含まれている。そこで、この分を除いて有額支給企業だけの平均をみると、男子が344,017円(回答企業の対前年比0.7%増)、女子が223,917円(同4.6%増)、男女平均では306,254円(同1.5%増)、となり、支給額は総平均に比べてそれぞれ6,163円、14,951円、10,357円、多くなっている。
 平均基本給に対する支給月数についてみると、総平均で男子が平均基本給204.820円(平均年齢39.4才、平均勤続年数11.9年)の1.65カ月、女子が同144,144円(同37.9才、同8.9年)の1.45カ月、男女平均では同185,068円(同38.9才、同10.9年)の1.60カ月となっている。いずれも支給月数は、前年同期をわずかに上回っている。
 過去のボーナス支給額の伸び率は、94年夏0.8%、94年冬1.9%、95年夏△8.0%、95年冬△3.1%となっており、冬に続き△0.3%とマイナスの伸び率となっているが、業況改善が進み、収益力が上向き基調にあることも反映し、少しずつではあるが伸び率でマイナス幅が減少している。
 

表1 夏のボーナス支給状況   (単位:円、%)

 

  企業数 平均年齢 勤続年数 平均基本給 ボーナス支給額 支給月数 前年比 企業数 平均年齢 勤続年数 平均基本給 ボーナス支給額 支給月数 前年比
総平均 402 39.4 11.9 204,820 337,854 1.65 99.7 409 37.9 8.9 144,144 208,966 1.45 100.4
非金属鉱業 9 44.1 14.9 238,643 384,469 1.61 98.8 9 44.7 11.8 170,725 215,903 1.26 104.8
建設業 67 42.6 12.2 235,626 312,209 1.33 97.6 63 37.4 8.3 165,505 209,943 1.27 97.2
製造業 168 38.8 12.4 206,386 342,938 1.66 102.3 161 40.0 9.5 140,901 204,046 1.45 99.5
卸売業 39 37.5 12.4 210,130 382,817 1.82 102.6 39 32.0 8.6 156,642 255,156 1.63 105.4
小売業 68 35.4 12.1 210,656 438,396 2.08 96.4 84 32.4 7.9 149,987 233,110 1.55 100.6
運輸業 24 41.5 9.6 153,893 233,719 1.52 100.7 23 34.9 5.4 125,017 185,859 1.49 105.7
サービス業 27 36.6 10.8 194,284 292,195 1.50 103.9 30 36.6 6.7 131,036 143,532 1.10 108.6

 

 

平   均

  企業数 平均年齢 勤続年数 平均基本給 ボーナス支給額 支給月数 前年比
総平均 432 38.9 10.9 185,068 295,897 1.60 99.7
非金属鉱業 9 44.2 14.5 230,530 364,333 1.58 99.3
建設業 67 41.9 11.6 225,764 297,826 1.32 97.5
製造業 172 39.4 11.1 177,465 281,597 1.59 101.0
卸売業 41 35.9 11.3 195,657 345,887 1.78 102.6
小売業 88 34.4 10.7 190,075 368,757 1.94 96.7
運輸業 24 41.0 9.3 151,814 230,273 1.52 100.7
サービス業 31 36.6 9.0 166,775 227,535 1.36 105.0

 

支給予定額 小売業がトップ

 業種別の支給予定額(男女平均)は、小売業の368,757円をトップに、非金属鉱業364,333円、卸売業345,887円が30万円台で、以下建設業297,826円、製造業281,597円、運輸業230,273円、サービス業227,535円の順となっている。また、男女別にみると、男子では小売業の438,396円が唯一の40万円台で、以下非金属鉱業384,469円、卸売業382,817円、製造業342,938円となっている。女子では卸売業の255,156円をトップに、小売業233,110円、非金属鉱業215,903円、建設業209,943円が女子平均を上回っている。
 次に、各業種の支給予定額を前年同期の実績と比べてみると、サービス業で5.0%とトップ、以下卸売業が2.6%、製造業が1.0%、運輸業が0.7%で前年実績を上回った伸び率となっている。逆に、小売業、建設業、非金属鉱業はそれぞれ△3.3%、△2.5%、△0.7%、と前年実績を下回っている。
 つづいて各業種の業種別内訳をみると、建設業では、土木が5.3%と高い伸び率をみせたが、建設、設備は前年実績を下回った。製造業では、窯業11.5%、建具9.7%、食品6.4%、鉄鋼4.8%、印刷2.0%と前年実績を上回る業種が多いが、反面、繊維△6.3%、一一般機槻△1.8%がそれぞれマイナスの伸び率となっている。卸売業では、青果市場の8.9%の他、飲食料、家電、建材がプラスの伸び率を示したが、衣料、鮮魚市場はマイナスの伸び率となっ
ている。小売業では、酒販店が24.1%、食肉9.8%、農機5.0%、衣料2.6%、大型店2.1%、書簿・文房具が2.0%とプラスの伸び率となっているのに対し、ガソリンスタンド△40.0%、時計・カメラ△33.3%(サンプル数1件)、食料品△18.2%が低い伸び率を示している。運輸業では、道路貨物及びタクシーともにほぼ前年並である。サービス業では、すべての業種で高い伸び率を示し、特に、理容業が38.9%と目立っている。
 各業種を総合的にみると、総平均で支給月数、支給額は前年実績を上回っているが、前年と同様に業種間でバラツキがみられる。

 

支給額 各段階に広く分布

 表2は、支給額の分布状況をみたものである。支給額を10万円単位でみてみると、10万円台と回答した企業が31.2%でトップとなっており、次いで20万円台の28.7%、30万円台の15.5%の順になっている。このことから、県内の約7割の企業が10万円以上30万円台の支給額となっていることがわかる。しかし、支給額が10万円未満の企業、あるいは50万円以上と回答した企業もあり、支給額は各段階に広く分布しており、企業間における格差も広がっていることが推測される。
 

表2 支給分布状況   (単位:件数、%)

金額 ゼロ 10万円未満 10万円以上 15万円以上 20万円以上 25万円以上 30万円以上 40万円以上 50万円以上
件数 13 37 58 77 74 50 67 39 17
構成比 (3.0) (8.6) (13.4) (17.8) (17.1) (11.6) (15.5) (9.0) (3.9)

 

支給時期 8月支給企業半数超

 表3は、支給時期をみたものである。全体では、8月1日〜10日に支給する企業が39.1%で最も多く、次いで8月11日〜20日の16.0%で、この2つを合わせると55.1%となり、例年と同様に旧盆を挟んでの支給とする企業が多い。以下、7月11日〜20日までが15.5%、7月21日〜31目までが9.7%と続いている。支給時期を月別に集計すると、6月に支給する企業は7.2%、7月が32.1%、8月が57.9%となっている。また、小売業では、9月以降に支給する企業が全体の0.2%を占めている。
 また、業種別に支給時期をみると、卸売業と運輸業で、7月に支給とする企業の割合が他業種に比べ高くなっている。さらに規模の大きな企業は比較的早い時期に支給する傾向にあるなど例年の調査と比べて大きな変化はみられない。また支給時期が未定企業についてみるとサービス業が3.2%と高いものの、全体では昨年を下回り1.9%と僅かの企業にとどまっている。
 


表3 支給時期 
 (単位:%)

  5月以前 6/1〜10 11〜20 21〜30 7/1〜10 11〜20 21〜31 8/1〜10 11〜20 21〜31 9月以降 未定
鉱業 0.0 0.0 0.0 0.0 11.1 0.0 0.0 44.4 44.4 0.0 0.0 0.0
建設 0.0 1.5 1.5 4.5 1.5 10.4 9.0 47.8 20.9 0.0 0.0 3.0
製造 0.6 0.0 2.9 3.5 8.1 17.4 11.6 33.7 16.9 2.9 0.0 2.3
卸売 0.0 0.0 2.4 9.8 9.8 22.0 9.8 41.5 2.4 2.4 0.0 0.0
小売 1.1 0.0 0.0 6.8 5.7 15.9 9.1 45.5 10.2 3.4 1.1 1.1
運輸 4.2 0.0 0.0 4.2 16.7 16.7 8.3 33.3 16.7 0.0 0.0 0.0
サービス 0.0 0.0 3.2 6.5 3.2 9.7 6.5 32.3 25.8 9.7 0.0 3.2
合計 0.7 0.2 1.9 5.1 6.9 15.5 9.7 39.1 16.0 2.8 0.2 1.9

 

内部積立 小売業、卸売業で7割超

 表4は、ボーナスの支給財源を業種別と従業員規模別にみたものである。
 全体では内部積立57.7%、借入25.9%、本社調達8.1%、その他8.3%の構成割合で前年同様の傾向をみせている。
 業種別に支給財源をみると、財源を内部積立によるとする割合が高いのが小売業、卸売業で7割を超え、次いでサービス業、非金属鉱業の順となっている。一方、財源を借入によるとする割合が高いのは運輸業、製造業で3割を超しており、特に運輸業は4割強の企業が支給財源を借入としており、例年のとおり借入による割合が高い。そして、財源をすべて内部積立とする企業の割合、反対にすべて借入とする企業の割合を業種別にみれば、当然ながら同様の傾向にあり、業種による調達財源が大きく異なっていることがわかる。
 次に、従業員規模別の支給財源をみると、例年同様、内部積立とする企業の割合は従業員規模が大きくなるほど低くなり、逆に借入金は高くなるという相関関係がみられる。

 

表4 支給財源 (単位:%)
  内部積立 借  入 本社調達 その他 内部積立百% 借入百%   内部積立 借  入 本社調達 その他 内部積立百% 借入百%
鉱業 62.2 16.7 11.1 10.0 55.6 11.1 1〜5人 69.8 10.4 9.4 10.5 64.7 5.9
建設 44.5 26.0 18.5 11.1 35.4 16.9 6〜10人 72.4 9.8 6.9 10.9 67.2 5.2
製造 51.6 34.0 8.0 6.5 43.1 24.0 11〜20人 51.1 29.3 8.7 10.9 44.4 17.8
卸売 70.5 21.0 0.0 8.5 65.9 12.2 21〜30人 54.5 32.6 7.5 5.3 45.3 24.5
小売 70.8 13.4 4.6 11.1 67.8 8.0 31〜50人 50.2 36.2 5.1 8.2 40.8 22.4
運輸 59.6 40.4 0.0 0.0 45.8 20.8 51〜100人 47.4 36.2 11.8 4.7 37.3 25.5
サービス 62.6 14.8 12.9 9.7 54.8 6.5 101人〜 52.2 39.9 5.3 2.6 44.7 26.3
合計 57.5 25.9 8.1 8.3 50.5 16.7 合計 57.7 25.9 8.1 8.3 50.5 16.7

 

広域生活圏別 盛岡がトップ

 表5は、広域生活圏別にボーナス支給予定額をみたものである。男女平均では盛岡地域の381,809円、岩手中部地域343,313円、宮古地域325,333円、気仙306,445円の順で30万円台で、その他の地域は、久慈地域を除いて20万円台の支給予定となっている。これを男女別にみると表示していないが、男子では盛岡地域の403,131円で最も高く、続いて岩手中郡地域、気仙地域、宮古地域が30万円台の支給予定額となっている。女子でも盛岡地域の307,610円が唯一30万円台で最も高く、以下岩手中部地域、胆江地域、宮古地域の順となっている。
 また、これを製造業と非製造業の別でみると、製造業では盛岡地域の395,192円が最高となっており、以下、岩手中部地域、気仙地域、宮古地域が30万円台で続いている。非製造業でも
盛岡地域の373,814円がトップで、以下、岩手中部地域が30万円台で続き、宮古地域、両磐地域、釜石地域、気仙地域が20万円台、久慈地域、胆江地域、二戸地域が10万円台となっている。
 男女別、製造業・非製造業別においても産業の集積度の高い盛岡、岩手中部の両地域が上位を占め、反面、久慈、二戸の県北地域が下位に位置している。
 次に、各地域の支給予定額を回答企業の前年同期の実績と比べてみると、胆江地域の6.9%を最高に岩手中部地域4.6%、二戸地域4.5%、釜石地域3.7%、宮古地域3.3%、盛岡地域2.0%、気仙地域1.5%が前年を上回ったものの、両磐地域が△14.7%、久慈地域△1.3%と前年を下回っている。下拘った2地域は、いずれも非製造業での落ち込みが大きく、特に両磐地域の△33.8%が目立っている。

表5 広域圏別支給状況 (単位:%)

    平均
    企業数 平均年齢 勤続年数 平均基本給 ボーナス支給額 支給月数 前年比
  製造 51 39.5 11.8 214,155 395,192 1.85 101.1
盛岡 非製造 53 35.8 10.6 183,972 373,814 2.03 102.6
  合計 104 37.2 11.1 195,261 381,809 1.96 102.0
  製造 34 39.6 11.3 202,286 352,387 1.74 107.6
岩手中部 非製造 26 36.2 10.1 192,832 326,042 1.69 99.0
  合計 60 38.4 10.9 199,030 343,313 1.72 104.6
  製造 30 38.3 11.6 177,507 278,020 1.57 109.9
胆江 非製造 22 40.7 9.4 160,306 177,242 1.11 98.7
  合計 52 38.9 11.0 172,796 250,426 1.45 106.9
  製造 27 39.1 10.0 174,810 236,039 1.35 91.4
両磐 非製造 13 38.7 10.4 186,045 231,676 1.25 66.2
  合計 40 39.0 10.1 176,943 235,211 1.33 85.3
  製造 21 40.8 14.2 206,864 351,106 1.70 102.8
気仙 非製造 18 38.6 9.0 147,837 201,555 1.36 102.5
  合計 39 40.1 12.6 189,237 306,445 1.62 101.5
  製造 24 40.9 11.8 174,445 242,766 1.39 104.8
釜石 非製造 25 37.2 10.2 133,389 231,495 1.74 100.5
  合計 49 39.9 11.4 164,018 239,903 1.46 103.7
  製造 18 44.6 18.3 202,445 346,955 1.71 102.0
宮古 非製造 12 36.6 11.3 172,889 268,505 1.55 108.5
  合計 30 42.4 16.4 194,299 325,333 1.67 103.3
  製造 17 42.4 8.4 169,717 179,152 1.06 98.9
久慈 非製造 5 44.3 13.9 158,562 190,223 1.20 97.5
  合計 22 42.4 9.0 168,470 180,390 1.07 98.7
  製造 17 39.9 7.5 180,257 225,352 1.25 105.0
二戸 非製造 6 33.8 5.0 179,063 152,035 0.85 99.9
  合計 23 39.2 7.2 180,117 216,771 1.20 104.5

 

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