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緩やかな回復の動きが見られる県内景況


 

5月の実績調査結果
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5月の実績調査結果

 業界全体をみると、生産・売上が久々に前年を上回ったとする業種が増えるなど緩やかながら回復の動きがみられる。
 生産・売上が前年同月に比べて増加したとするところは調査票回収1,059企業(有効回収率64.2%)中、19.6%と前月調査の18.8%を0.8ポイント上回った。減少企業比率も28.7%と前月調査の31.4%を2.7ポイント下回ったことから、指標は上向いた。
 また、収益も増加企業比率が13.9%と前月調査の12.8%を1.1ポイント上回った。減少企業比率も32.6%と前月調査の34.5%を1.9ポイント下回ったことから、指標は上向いた。
 なお、生産・売上、収益とも指標は上向きとなったものの、前年比較では下回って推移している。
 資金繰りは好転7.1%(前月調査6.8%)、悪化21.1%(同24.4%)となっている。
 6〜8月期の予測についてみると、生産・売上が前年同期を上回るとみているところは19.6%と当月実演と同値である一方、減少予測企業比率は26.7%と当月実績を2.0ポイント下回っていることから、予測通りならば指標は上向くことになる。
 また、収益予測でも増加13.1%(当月実績比0.8ポイント低下)、減少30.1%(同2.5ポイント低下)と指標はここでも上向くことになる。
 資金絞り予測は好転8.2%(同1.1ポイント上昇)、悪化21.9%(同0.8ポイント上昇)となっている。
 このように、先行き見通しについては、ここにきて回榎への手応えが感じられる。


 建設業全体をみると、工事高が前年同月を上回ったとするところは21.5%と前月調査の16.9%を4.6ポイント上回った。減少企業比率も31,7%と前月調査の32.4%を0.7ポイント下回ったことから指標は再び上向いた。一方、収益は増加9.8%(前月調査11.3%)、減少35.8%(同38.1%)と指標は横ばいとなった。
 資金繰りは好転10.1%(同8.2%)、悪化23.8%(同20.5%)となっている。
 製造業全体をみると、生産が前年同月を上回ったとするところは20.9%と前月調査の20.2%を0.7ポイント上回った。減少企業比率も29.5%と前月調査の32.2%を2.7ポイント下回ったことから、指標は上向いた。
 また、収益も増加14.6%(前月調査14.4%)、減少32.8%(同35.0%)と指標はここでも上向いた。
 資金繰りは好転7.0%(同7.7%)悪化22.5%(同25.5%)となっている。
 卸売業全体をみると、売上が前年同月を上回ったとするところは29.9%と前月調査の34.7%を4.8ポイント下回った。一方、減少企業比率は23.4%と前月調査の25.3%を1.9ポイント下回った。そのため、指標はわずかながら再び下向いたが、引き続き前年を上回っている。
 また、収益も増加23,6%(前月調査24.4%)、減少25.0%(同32.5%)と指標は上向いた。
 資金繰りは好転7.8%(同9.5%)、悪化15.6%(同16.2%)となっている。
 小売業全体をみると、売上が前年同月を上回ったとするところは17.2%と前月調査の13.7%を3.6ポイント上回った。減少企業比率も33.3%と前月調査の35.0%を1.7ポイント下向ったことから指標は上向いた。
 また、収益も増加13.5%(前月調査8.5%)、減少36.9%(同39.1%)と指標はここでも上向いた。
 資金繰りは好転6.9%(同4.2%)、悪化21.7%(同30.5%)となっている。


【県内の経営動向調査 意見欄より(5月分)】
●公共工事発注の平準化を望みます。(土木工事業)
●ブロックに代わる景観資材等により、予想以上に厳しい。(コンクリート製品製造業)
●若手社員の育成が課題です。(一般機械器具卸売業)
●昨年に比べ、気候が寒い為、夏商品(エアコン等)の売り上げが伸びないので、この夏の見通しは悪い。(家電店)


 

業種別に見た5月の動向
業種 5月の動向
砂利・採石・非金属鉱業 生産は再び前年を上回ったが、収益は再び前年を下回った
土木工事業 工事高は再び前年を下回ったほか、収益は前年を下回って推移している
建築工事業 工事高は久々に前年を上回ったが、収益は前年を下回って推移している
畜産食料品製造業 生産、収益ともに前年を上回った
水産食料品製造業 生産は再び前年を下回ったほか、収益は前年を下回って推移している
酒造業 蔵出量は前年並みを維持したが、収益は前年を下回って推移している
メリヤス製品製造業 生産は久々に前年を上回ったほか、収益は前年並を維持した
縫製業 生産は再び前年を下回ったほか、収益は前年を下回って推移している
一般製材業 生産、収益ともに前年並みになった
合板製造業 生産、収益ともに再び前年を上回った
建具製造業 生産は再び前年を下回ったほか、収益は前年を下回って推移している
印刷・製版・製本業 生産は再び前年を上回ったが、収益は前年を下回って推移している
コンクリート製品製造業 生産は前年を上回って推移しているが、収益は再び前年を下回った
鋳物工業 生産は前年を上回って推移したが、収益は再び前年を下回った
金属製品製造業 生産は久々に前年を上回り、収益は前年を下回って推移している形だが、生産面では企業個々にバラツキがみられる
精密機械器具製造業 生産は前年を上回って推移しているが、収益は前年を下回って推移している
衣料品卸売業 売上は再び前年を下回ったはか、収益は前年を下回って推移している
青果市場         〃    〃
生群魚介類卸売業 売上、収益ともに前年を上回って推移している
一般機械器具卸売業         〃    〃
家電卸売業         〃    〃
建材卸売業 売上は再び前年を上回ったが、収益は前年を下回って推移している
大規模小売店舗 売上、収益ともに再び前年を上回った
自動車販売業 売上は前年並みになり、収益は前年を下回って推移している形だが、売上面では企業個々にバラツキがみられる
自転車小売業 売上は前年並みになったほか、収益は久々に前年を上回った
家具店 売上、収益ともに久々に前年を上回った
農耕用品小売業 売上は再び前年を下回ったほか、収益は前年を下回って推移している
ガソリンスタンド 売上は前年を上回って推移しているが、収益は前年を下回って推移している
書籍文房具小売業 売上、収益ともに再び前年を下回った
時計・カメラ・眼鏡小売業 売上は再び前年を上回ったが、収益は前年を下回って推移している
タクシー業 売上は再び前年を上回ったほか、収益は前年並みになった
道路貨物運送業 売上は前年並みになったが、収益は前年を下回って推移している
観光旅舘 売上は再び前年を下回り、収益は前年並みを維持した形だが、収益面では企業個々にバラツキがみられる
ビジネスホテル 売上は前年を上回って推移しているはか、収溢は再び前年を上回った
自動車整備業 売上は前年並みになったが、収益は前年を下回って推移している
食堂・レストラン 売上は前年並みを絶持したが、収益は前年を下回って推移している

 

以下業種は生産(売上・工事高)、収益ともに前年を下回って推移している
業種
設備工事業 生コンクリート製造業 靴・履物小売業 医薬品・化粧品小売業
食料品製造業全体 一般機械器具製造業 各種食料品小売業 スポーツ用品小売業
パン・生菓子製造業 電気機械器具製造業 酒販店 クリーニング業
ビスケット・干菓子製造葉 輸送用機械器具製造業 食肉小売業 理容業
麺類製造業 飲・食料品卸売業 鮮魚・乾物小売業 美容業
豆腐・油揚製造業 中・小スーパーマーケット 果実小売業
木材・チップ製造業 衣料品小売業 家電店


 

【県内の経営動向調査 意見欄より】

 経営動向調査の調査票には、皆さまのご意見をご記入いただく「意見欄」があります。今年度は、4月に108社、5月に69社の方にご記入いただきました。貴重なご意見ですので皆さまにも一部ですがご紹介したいと思います。
 
●消費税率の引き上げについては、顧客との関係が大であり、その動向について関心あり。生産コスト等と合わせて対策、対応が必要な時期である。(建設業・4月)
 
●岩手県の清酒業界の出荷は5年前から87.3%に減少している。全国平均は95%、岩手は1年平均3%弱の減少。県外出荷量は横這いなのに、県内出荷倉は出荷量、金額とも落ちている。東北6県のアルコール消費量は岩手県が最下位。県民性か?(食料品製造業・4月)
 
●郊外店・大型店指向に加え、既存商店街と大型店の隙間を埋める形でコンビニが台頭している。消費者の動向は多様でありこれへの対応に苦慮している現状である。(食料品製造業・4月)
 
●世界一の人件費、世界一働かなくなった日本人。社員教育の徹底がまさに大事だ。(総練製品製造業・4月)
 
●来春4月1日より時短(週40時間)は同種産業のみならず頭を抱えておるのが実体です。(繊維製品製造業・4月)
 
●木材業界は絶対的に外材に対して競争力を失っていることが全てであり、単なる景気だけの問題ではない。(製材業・4月)
 
●消費税アップにからみ、前倒受託が活発化しているが、職人不足、資材の値上がりが予測され、結果的に混乱するだけになりそう。反動が大きくなるだけで、来年度の予測が見えない。(木材関連製造業・5月)
 
●印刷価格のダンピングが激しい。特に官公庁の発注物の印刷の値段は年々下がっている。どうにかならないものか。(印刷業・4月)
 
●景気上向きとの情報の中、5月連休明け以降、動きが止まった感じです。
前年比わずかに上回ったのは、年度末の受注残の持ち越しによるもの。見通しは、ここへきて厳しくなりました。ボーナスによる消費に期待します。(家電卸売業・5月)
 
●住宅産業のPL問題が顕在化する恐れがある。建材や資材の安全性が今後重要と思われる。(建材卸売業・4月)
 
●この度郊外に600uの広い駐車場をもった店舗をオープンしたので売り上げが飛躍的に伸びた。(小売業・4月)
 
●農薬は県外大手会社の侵入により値引き合戦が激しくなっている。肥料も上部価格が崩れ始めた。(小売業・4月)
 
●今年春の動向は、米の減反(3割〜4割)がひぴいて、購買意欲に慎重さが見られます。(小売業・4月)
 
●観光宿泊業で週40時間労働を維持することは大変に難しく、経営を圧迫しかねない問題だ。(サービス業・4月)
 
●行革審の実施以来、県内でユーザー車検が増えており、徐々に影響が具現されてくる情勢にある。東京方面では既に30%以上のダウンで運輸省でも、これを重視しているとの情報がある。(サービス業・4月)

 

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