
嘉永に始まる伝統を守り、女性の感性で販路拡大
夢は「白衣を着て働ける鋳物工場」 |
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及川 洋子(おいかわようこ)様
[及源鋳造株式会社 取締役副社長]
及源鋳造株式会社 会社概要 |
住所 |
水沢市羽田町字掘ノ内45番地 |
TEL 0197-24-2411 |
社 長 |
及川源悦郎 |
資本金 |
4,000万円 |
従業員 |
104名 |
売上高 |
12億円(平成7年3月期) |
設 立 |
昭和22年5月26日(創業嘉永5年) |
事業内容 |
鉄びん、鍋類等南部工芸鉄器 |
マンホール等機掘鋳物 |
簡路灯、車止め等公共鋳物製造 |
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大きな鋳物会社の副社長大変なお立場ですね。
及川: 30数年前に石巻から嫁いできた時に義父から「家のことより会社のことを中心にするよう」と言われました。そして、実際にそうしてきました。非常に誤解されそうですが、夫(現在の社長)は経営者としても夫としても申し分のない人ですので、大変だと感じたことは余りないです。どちらかといえば、楽しかったことの方が多かったと忠います。
公私ともに社長の「女房役」、お忙しくご苦労も多いんでしょうね。
及川: ただ今申し上げたことと重なりますし、苦労のうちには入らないかもしれませんが、疎いできた頃は従業員の方々も30数人で、月産能力も40トンほどでした。その後、従業員は100人はどに増え、さらには生産を自動化するなどして現在は月産能力は200トンになっています。この問、この地域では初めてのショールームの開設やら何やらもあり、会社が拡大していく節目々々にはそれなりの苦労はありましたが、社長と一一緒に切り抜けてきました。
社長も大きな決断を迫られたとき、最後には何時でも私に相談してくれました。自分ではもう決めたことを、形だけの相談だとは思いますが、これが苦労と言えば苦労でしたが逆に嬉しかったですね。
そんな中でどんな形で息抜きなどはなさってるんですか。
及川: ノート下手なんですが、好きで「般若心経」を書写しています。それと、旅行が好きで、と言っても国内ですが、気の合った友達と温泉地をめぐっています。また、最近はこの辺の言葉で言えば「孫かで」をして息抜きをしていますが、本当に息抜きになっているのか、かえって疲れるだけなのかわかりませんが‥…・。
女性としてこのように大きな会社の経営に関わっておられ、気をつかわれておられることは。
及川: 女だからと意識することはないですが、昔から雑用係に徹しています。
会社では主に経理と東京方面での催事関係を担当してます。特に催事関係の仕事は東京方面の大きなデパートで行うことが多いんですが、この場合には知らず知らず女としての感性みたいなものがでているのかなと思うこともあります。
副社長として、一家庭人としての抱負などは。
及川: 疎いできた頃、「白衣を着て働ける鋳物工場」を夢見ました。まだそこまではいきませんが、もっとこの夢の実現に近づけることと、もっと安全な工場にしたいと思っています。それと、上の娘が美術大学を卒業してすぐこの会社に入り、その後一貫して企画、デザイン部門を担当していますし、この娘婿もいますので、これからはこ人を盛り上げてさらに裏方に徹したいと考えてます。

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